監督/小林正樹
撮影/川又昂
音楽/武満徹
と、一流どころのスタッフが揃った1962年度作品。
主演は岸恵子、当時30歳ですが
クールビューティぶりを存分に発揮しています。
岸が秘書として勤務する会社の社長(山村聰)が
病に倒れ、余命宣告を受けます。
「今まで黙っていたが、実は俺には隠し子が3人居る。連絡はずっと取っていないので生死も居所も分からない。しかし真っ当に育っていてくれれば遺産をあげるつもりだ。急いで行方を捜してくれないか」
と山村。
慌てたのは妻や弁護士たち。
自分の取り分が減るのは困る・・・
うまく動けばおこぼれを頂戴できるかもしれない・・・
各自の思惑が交錯し始めます。
敵対&共闘しながら
激しく暗躍します。
そんな彼等から岸は距離を置いていたのですが・・・
終盤にどんでん返し(冒頭のシーンでネタバレしてしまっているのですが)
が控えていて、なかなかに楽しめるサスペンス映画に仕上がっています。
ちょっと驚くのは芳村真理。
さしずめ、和製ブリジット・バルドーといったところで
コケティッシュな魅力炸裂です。
展開がややスローで、手に汗握るといった作りではありません。
いずれも全力投球の弩級作ですので
その合間のリラックス小品といったところでしょうか。
(”人間の條件” で絶叫調の兵隊の芝居をしていた面々が、打って変わって本作では軽いノリでセリフを交わしているところが面白い。観客にもニヤリと笑ってもらえるよう、意識的にやっているのでしょうね)
からみ合い オープニング