この猫のキャラクターに見覚えのある方は
おおむね、1990年代に
10代~30代だったのではないかと。
31歳で世を去った
にゃーこ と にゃっ太ですね。
一見可愛い見た目なのですが
描写は強烈です。
当時発行されていた単行本は全て絶版のようですね。
倫理規定がより厳しくなっている現在では
アウト!の箇所が多そうです。
私の手許にはたまたま
ごく初期の青林堂バージョン(92年発行)がありますが、
「ガロ系」読者でもちょっと苦笑してしまいそうな
(一般的な漫画の読者なら引いてしまいそうな)
カットがテンコ盛りです。
写真やインタビュー記事などがおよそ残されていない
ねこぢる本人の生前の姿が記されているのが
吉永嘉明著の ”自殺されちゃった僕”(幻冬舎アウトロー文庫)
当時の出版界の盛衰やサブカルブームの記述に
90年代カラーが濃厚に漂っています。
”インドぢる” は
徒然インド旅行記。
端々に、かつてねこぢると旅した日々の回想が
差し込まれています。
(巻末に三篇の漫画を収録)
アニメ化も行われていて
テレビ放映された ”ねこぢる劇場” は
比較的ポップな仕上がりですが
オリジナルビデオの ”ねこぢる草”(監督/佐藤竜雄 脚本・演出/湯浅政明)
は、初期作品をモチーフにした幻想的で手の込んだ逸品です。
きっと、ねこぢるも
「うん、これなら合格」
と言ってくれるのではないでしょうか。