1962年のアメリカ映画ですが
ホラー系、特にB級テイスト好きのファンからは
非常に評価の高い作品です。
グロテスクなお化けがどーんと出てくる系統ではなく
心理サスペンスとしてのドラマ性が強いので、
一般の映画ファンの方でも
確かに一見の価値ありですね。
カンザス州の田舎町
自動車事故で川に転落した女性、
奇蹟的に無傷で生還します。
事故当時の記憶を喪失してしまった彼女は
周囲の眼が気になって
ユタ州のソルトレークシティーへ引っ越し。
心機一転、新生活を始めようとするのですが
突然、周りの音が聞こえなくなったり
自分の存在が無視されるようになります。
日に日に不安感は増すばかり。
また青ざめた顔つきの中年男の幻影を
頻繁に見るようになります。
恐怖感に囚われた彼女は長距離バスに乗って
街を脱出しようとするのですが
乗客たちは
この世の人間ではありませんでした・・・
さて彼女の運命やいかに、ということなんですが
超低予算&プロの役者は主役の女性だけで、後は全て素人
(監督の友人やスタッフ、監督自身も白塗りの男として出演)
加えて監督のハーク・ハーヴェイは
生涯で、長編の劇映画としてはこの一本しか
製作しなかったという
カルト映画に求められる条件(?)を全て満たした
逸品です。
巨大な遊戯施設場(撮影当時既に廃墟)でのロケーションが
効果を上げていて、主人公が一人で彷徨う場面などは
かなりスタイリッシュな仕上がりで
単なる安物怪奇映画とは一線を画していますね。
映画史に残る傑作、ではありませんけれど
78分という尺も間延びしない程よさです。
極端にグロテスクな場面とか流血、暴力シーンはありませんので
興味が湧いた向きは是非に。
Carnivals Of Souls Trailer