トニー・ムサンテとマーティン・シーンが
極悪非道のチンピラを演じる
ラリー・ピアース監督作品。
まず冒頭で、二人のカツアゲシーンが。
やや柄が悪いあんちゃんレベルではなく
平気で暴力を奮う、ヤバい奴らです。
夜も明けきらぬニューヨーク
始発の地下鉄に乗車する人たち。
(一駅毎に車両に乗り込んできます。単独ではなくすべて二人組。それぞれのバックグラウンドが簡潔に描写されています)
そこにムサンテとシーンが。
車内は地獄絵図と化していきます。
二人は次々に乗客たちに絡み始め、
そのしつこさは尋常ではありません。
阿鼻叫喚の車両。
途中駅で下車することも許さず
乗車しようとする客はブロック。
走る密室状態が続きます。
乗客には休暇中の海兵隊員が居たのですが
そのうちの一人(ボー・ブリッジス)が遂に爆発。
ブリッジスは怪我をしていたのですが
二人組に果敢に立ち向かい・・・
というのが大筋。
車内暴力というのは今もあるテーマですから
その点では、古臭さを感じずに観ることが出来ますね。
(車内の乗客たちは基本、見て見ぬふりを続けます)
ただ現役の兵隊さんまで、ずっとそうなんですよ、
私服ではなく制服姿です。
一人は怪我をしていてギプス姿なんですが
それにしても傍観者過ぎるなあと。
立ち上がるのが余りに遅いのではないかと。
まあ、それだけムサンテとシーンがぶっ飛んでいるわけですが。
中盤以降、延々と場面が電車の中ですからね。
舞台向けかなと。
一幕でいけますから。
大掛かりなセットも要りません。
主役以外はセリフがほとんど無いということも避けられます。
(二人組は順番に乗客に絡んでいくので)
役者さんもそれぞれ、見せ場が作れますね。
ところで、日本語タイトルが
”ある戦慄”
となっています。
うーん、どんな映画か分かりませんよねえ。
”ニューヨーク地下鉄 悪夢の〇〇分”
とかにすれば良かったのでは?
The Incident Trailer