なんとまあ、カトリーヌ・ドヌーヴの美しいこと。
誰もが知っているミッシェル・ルグランの抒情的な主題歌
オープニングカットから夢見心地の素晴らしい撮影(ジャン・ラビエ)
考えてみると変なんですね。
セリフが全て、歌になっているという。
(ミュージカルの名作ということになってますが、ミュージカルではないですね。踊りの要素はまったく無いですから)
で、全部吹き替えになっていて
別にドヌーブ自身が歌ってるわけでもない。
しかし引きこまれちゃうんですよね、スクリーンに。
(ストーリー自体は極めてシンプル)
役柄の設定で、ドヌーブは17才ということになってるんですが
それはちょっと厳しいかな。
ドヌーブと恋人(ニーノ・カステルヌオーヴォ)の
別離の期間はそれほど長くはないのに
&ドヌーブは身籠っているのに、
他の男と結婚しちゃうかなあ・・・などと
細かいツッコミどころはあるのですが、
そんな野暮なことはどうでも宜し。
映画館に「夢を観にいった」時代の傑作ですね。
スタジオセットとロケーションのバランスも良くて
一度観ただけで、目に焼き付くシーンが目白押しです。
ドヌーブの影に隠れてしまいがちですが
ニーノと結ばれることになるエレン・ファウナーも
綺麗な人ですよ。
他の出演作も少なくて、あまり話題に上がることもないですけれど
好演ですね。
(ドヌーブが金持ちの男と結婚式を挙げた日のエレン。二人が直接会って会話をするシーンが無いところが、これまた粋)
とにもかくにも完璧なムード作品(1964年度のカンヌグランプリ)
監督のジャック・ドゥミは早く亡くなってしまいましたが
この一作で映画史に名前を刻みました。
未見の方(少ないと思いますが)は
ティシューかハンカチを用意して是非。
Les Parapluies de Cherbourg Trailer