悪女、魔性の女、ファム・ファタール・・・
単に美しいだけではなく
男を虜にして破滅に導くだけの
圧倒的な吸引力をもった女性、ですね。
そういう人物が主人公の映画は
相当数ありますけれど
1927年のドイツ映画、”妖花アラウネ~Alraune”
は、なかでも古典的な作品です。
(監督/ヘンリック・ガレーン)
この系統の映画の場合、
出来具合は
なんといっても主演女優次第なわけですが
本作はブリギッテ・ヘルム。
あの伝説的な ”メトロポリス” でマリア役だった人。
もう掴みは完璧です。
(”メトロポリス”のオフショット)
今回はボディスーツを着用しているわけではないのですが
身体の線が浮き上がるタイトなドレスや
ボーイッシュな装いで
出逢う男たちは全員、目が釘付けに。
よだれがダラーッ状態に突入です。
ブリギッテには忌まわしい出生の秘密があり、
彼女の心を苦しめます。
お前と居られるならなんでもする、
どんな目に遭ってもかまわない
どうか俺だけを愛しておくれ。
その願いが叶わないとなった時、
ブリギットと男の運命は如何に・・・
”メトロポリス”でブリギッテ・ヘルムのファンになった方は
機会がありましたら是非。
映画界に居たのは10年足らずで
その後は完全に引退しましたので
美しいイメージが定着していますね。
Abwege(1928)
この ”妖花アラウネ” は他にも何作か
映画化されていますので、
どの女優さんが一番のファム・ファタールか
観比べてみるのも面白いかもですね。
そういえば、かの水木しげるにも
同じタイトルの漫画があります。
(ビッグコミック 1968年4月号)
こちらはストーリー展開は別ものなのですが
いずれにしても、いつの時代でも
女性の魔性に
世の男たちはひとたまりもないのであります・・・