ヴィットリオ・デ・シーカ監督が
名作 ”自転車泥棒” の次に撮った作品です。
カンヌでパルムドールを受賞していることもあって
こちらも涙涙の抒情的タッチかというと
そうではなく・・・
キャベツ畑に捨て子が。
優しいお祖母ちゃん(エンマ・グラマティカ)に
育てられて、気立ての良い子供に成長。
しかしお祖母ちゃんが亡くなり、孤児院へ預けられます。
成人した彼(フランチェスコ・ゴリザーノ)は
孤児院を後にするのですが、行く当てがありません。
ひょんなことからミラノ郊外のバラック集落に
住み着くことになります。
明るい性格のフランチェスコに助けられて
住民たちにも笑顔が戻ります。
ある日、集落近くで石油が噴出。
土地の所有者は住人たちに立ち退きを迫ります。
フランチェスコと仲間は
住み続けたい旨を伝えるのですが
その願いは一蹴されて
強制退去の事態に。
絶体絶命のピンチ・・・
しかしなんと、天国から
エンマお祖母ちゃんが救いの手を差し伸べてくれるのです。
ありがとうお祖母ちゃん!
僕らはもうこんな世の中に住んでいたくはないんだ。
お祖母ちゃんのところに行っていいよね。
空飛ぶ箒に乗って、天国へ。
仲間たちも続きます。
こんな世の中にもう用は無いもんね~
でジ・エンド。
社会風刺なども盛り込まれているのですが、
畏まって観る類の映画ではないですね。
黒澤作品(”どですかでん” ”生きる”)に
チャップリンでお馴染みのキーストン・コップスや
ハリウッドミュージカルの要素を加えたようなテイスト。
ちょっとまとまりが無いところもあるので
”自転車泥棒” が好きな人はガッカリするかも・・・
映像的には、前半に登場する
日光が差す場所に素早く移動~そこで足踏みしながらおしくらまんじゅう
をして、暖を取るシーンが秀逸です。
(ラストの天国へ翔け上がる場面と繋がっている)
主演のフランチェスコは役柄的には
顔の造作は
(若い時の)三國連太郎に良く似ているかなと。
ねっ?
Miracle In Milan Trailer