バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

ブリティッシュの香り高きフィルム・ノワール2篇 ”私は逃亡者” & ”邪魔者は殺せ”

主に1940~50年代に作られた

犯罪映画~フィルム・ノワールということですと

ハリウッド製作の諸作品がすぐに思い浮かびますが

(”深夜の告白” ”飾窓の女” ”サンセット大通り” ”現金に体を張れ”・・・)

 

今回は同年(1947年)に作られた英国ムービーを2つ。

 

 

アルベルト・カヴァルカンティの

”私は逃亡者~They Made Me A Fugitive”

 

これは男が男に嫉妬するギャングものです。

新しく入れたメンバー(トレヴァー・ハワード)を

ボス(グリフィス・ジョーンズ)が気に食わなくなるんですね。

自分で声をかけたくせに。

 

でハワードは濡れ衣を着せられて刑務所行き、

ボスと自分に不利な証言をした仲間に復讐するために脱獄

 

 

そんな彼を助けるのが

ボスの元彼女(サリー・グレイ)という

まあ、ありがちな設定になっています。

 

 

最後はハワードとジョーンズの一騎打ち、

葬儀屋の屋根の上での格闘となります。

(RIP~安らかな眠りを、の広告サインが効いてますね)

 

さて、ハワードの無実は証明されるでしょうか?

安易なハッピーエンドになっていないところが

フィルム・ノワールの面白さです。

(登場人物がかなり多く、その捌き方がちょっとキレに欠けるかな・・・)

 

 

A Jealous Scene from They Made Me A Fugitive

www.youtube.com

 

さてもう一篇、”邪魔者は殺せ~Odd Man Out”

これは名作です。

監督は、2年後に全映画最高峰と評される ”第三の男”を

撮るキャロル・リードですから。

 

 

主演はジェームズ・メイソン

彼を慕うキャスリーン・ライアン

 

工場に強盗に入ったメイソン、

銃撃を受けて負傷、仲間からもはぐれてしまいます。

(もともと体調が悪く、頻繁に立ち眩み&視界がぼやけていた彼は、これでほとんど身動きが不可能に)

 

以降はなんとか彼を救おうとする仲間や、偶然出くわした人々の善意に

助けられるのですが、警察の包囲網は徐々に狭まり・・・

 

 

こちらも最後は哀しい幕切れです。

 

 

メイソンは勿論名演技なのですが

なんといってもカメラワークが絶品。

光と影、大通りと袋小路の対比など

圧倒的なテクニックオンパレード。

 

 

ストーリーの分かりやすさから言えば

”第三の男”よりも観易いですしね。

(後半、ややダレるところもあるような気もしますが)

 

 

いずれも、この手の犯罪スリラー&モノクロの世界が好きな方には

お勧め間違いなしであります。

未見の方は是非に。

 

Odd Man Out    Trailer

www.youtube.com