バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

21世紀にも人情はある~フィンランドの名匠アキ・カウリスマキの ”ル・アーヴルの靴みがき”

f:id:bkkmind:20220415090900p:plain

 

フランスの港町、ル・アーヴル靴みがきをしている

マルセル(アンドレ・ウィルム

仕事で辛い時もあるのですが

愛妻家の彼は、長年連れ添った妻との暮らしを

なによりも大切にしています。

 

f:id:bkkmind:20220415091247p:plain

 

しかし妻(カティ・オウティネン)の身体に異変が。

(玉ねぎにナイフを入れている際に、突っ伏してしまいます。その後を暗示するシーンですね)

 

f:id:bkkmind:20220415091529p:plain

 

マルセルはガボンからの密航船に乗り込んできた

少年(ブロンダン・ミゲル)と知り合い、

自宅に匿うことに。

 

f:id:bkkmind:20220415091802p:plain

 

苦難の連続であったろう少年の過去に

思いを寄せます。

 

f:id:bkkmind:20220415091931p:plain

 

一方、不法入国の難民を逮捕すべく、警察が動き出しています。

指揮を執るのはモネ警視(ジャン=ピエール・ダルッサン)

 

f:id:bkkmind:20220415092151p:plain

 

遂には自宅に警察の手入れが。

マルセルや心優しい近所の住民は

一致協力して、少年を逃がそうとするのですが

遂には警部に見つかってしまいます。

しかし、そこで警部が見せた行動は意外なものでした。

 

f:id:bkkmind:20220415092418p:plain

 

病院に入院中の妻にも、長い付き合いの友人たちが

付き添っています。

 

そして、幸いにも体調が回復し

帰宅が許されることに。

 

f:id:bkkmind:20220415092634p:plain

 

手を取り合って帰宅するマルセルと妻。

 

ささやかな自宅の庭には

桜の花が咲いていたのでした。

 

いや、しかし

なんと美しく心洗われる映画でしょうか。

根っからの悪人というキャラクターが皆無です。

そして、”盛り上げようとすればいくらでも盛り上げられる”

場面を、”出来るだけ盛らないようにする”

カウリスマキの名人芸が相変わらず冴えわたっています。

 

ギラギラ&ゴテゴテの洋画が苦手な方は是非に

本編をご覧くださいませ。

 

Le Havre  (2011)  Trailer

www.youtube.com