マルセル(アンドレ・ウィルム)
仕事で辛い時もあるのですが
愛妻家の彼は、長年連れ添った妻との暮らしを
なによりも大切にしています。
しかし妻(カティ・オウティネン)の身体に異変が。
(玉ねぎにナイフを入れている際に、突っ伏してしまいます。その後を暗示するシーンですね)
マルセルはガボンからの密航船に乗り込んできた
少年(ブロンダン・ミゲル)と知り合い、
自宅に匿うことに。
苦難の連続であったろう少年の過去に
思いを寄せます。
一方、不法入国の難民を逮捕すべく、警察が動き出しています。
指揮を執るのはモネ警視(ジャン=ピエール・ダルッサン)
遂には自宅に警察の手入れが。
マルセルや心優しい近所の住民は
一致協力して、少年を逃がそうとするのですが
遂には警部に見つかってしまいます。
しかし、そこで警部が見せた行動は意外なものでした。
病院に入院中の妻にも、長い付き合いの友人たちが
付き添っています。
そして、幸いにも体調が回復し
帰宅が許されることに。
手を取り合って帰宅するマルセルと妻。
ささやかな自宅の庭には
桜の花が咲いていたのでした。
いや、しかし
なんと美しく心洗われる映画でしょうか。
根っからの悪人というキャラクターが皆無です。
そして、”盛り上げようとすればいくらでも盛り上げられる”
場面を、”出来るだけ盛らないようにする”
カウリスマキの名人芸が相変わらず冴えわたっています。
ギラギラ&ゴテゴテの洋画が苦手な方は是非に
本編をご覧くださいませ。
Le Havre (2011) Trailer