なんか、ドラキュラ映画のポスターみたいですが
こちらは1938年のアメリカ映画
”SEX MADNESS”
一時間にも満たない小品なのですが
俗に言う、エクスプロイテーションの典型的な一例ですね。
1930年代に入ると、アメリカ映画は業界内で
自主規制の基準を引き上げます。
それまでは許されていた表現が✖になったわけです。
しかし観客が求めているものはやはり、描写が際どい
~なかでもセクシャルなシーンなんですね。
そこで、教育&啓蒙の意味合いを前面に打ち出して
「こんなことをしてはいけませんよ」的な意味合いのシーンで
それらの場面を出すという苦肉の策が取られたわけです。
ニューヨークの劇場、踊り子たちのエロティックなステージに
お客さんはよだれダラーッ
ステージの後は皆でパーティー
気の合った相手が見つかったら、その後はどう過ごそうと
ご勝手に。
野暮なことは言いっこ無しさ、今宵は楽しく!
あの、先生
私
ちょっと心配なことがありまして
いいですか、あなたの軽率な行動で
赤ちゃんにまで影響が・・・
ストーリー展開の途中に
性病の症例画像や映像が差し込まれる
性科学映画とでも呼べる内容になっています。
興味深いのは、同性愛(レズビアン)のシーンがあること。
(なんとなく、ではなくかなりはっきりとした表現)
通常の娯楽映画では、後年に至るまで御法度だったはずなので
”教育”映画だったから許されたのでしょうね。
今観ると、デヴィッド・リンチ的な怪しさが漂っていますね。
この手の映画は、後に表現規制が緩んでいくにつれて
消滅していきますが
面白いものが結構ありますね。
例えば、女性が扇情的に服を脱いでいく~ストリップ
これはそのままだと撮れないわけですが
タイトルに、”愛するご主人のために”
と付ければOKになったりするので。
世界の名作映画ランキングには、間違っても登場しないでしょうけれど・・・
Sex Madness Trailer