バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

二人の女の幽霊と暮らす男の物語~ ”叫” by KIYOSHI KUROSAWA

 

黒沢清監督の2006年度作品

 

最初見た時はですね、監督の代表作として挙げられる

”CURE”(1997年)と比べて

ちょっと?だったんですね。

(両作品は似通ったテイストがあります)

 

でも、この映画

面白いというか

奇妙な味わいがありますよ。

(ホラー映画なんですけれどね)

 

 

役所広司はベテランの刑事(”CURE” と同じ設定ですね)

同僚に伊原剛志

 

似た手口の殺人事件が連続して起きるんですが

現場から役所の指紋や持ち物が発見されます。

 

 

ま、まさか俺が犯人なのか?

役所には記憶がありません。

しかし伊原から疑惑の目を向けられますし

役所の苦悩は深まるばかりです。

 

 

そして、出始めるんですね。

女の幽霊(葉月里緒奈)が。

もの凄い頻度で役所の前に姿を現します。

 

 

役所は、この幽霊を

連続殺人で殺された被害者の女性と考えるんですね。

俺じゃない!俺が殺したんじゃない!

 

で、真犯人を捕まえることに成功します。

よかったよかった

これでもう幽霊は出てこないだろう

 

 

でも、女の幽霊はますます役所にまとわりつくんですね。

”恨むならお前を殺したヤツを憎めよ!俺が捕まえてやったぞ”

と言っても言っても

聞いてくれないんですよ、この幽霊さん。

 

 

空も飛べちゃうんですよ。

だから役所は逃げることも出来ないんですね。

 

 

役所には素敵な恋人(小西真奈美)が居て

彼女と過ごすひと時だけが

役所の救いになっています。

 

よし、もう東京から脱出しよう。

いっそ海外もいいな。

俺と一緒に行ってくれないか?

 

役所は小西に懇願します。

 

 

しかし役所は

ある日すべてを想い出します。

俺が、俺が殺したのは実は・・・

 

逆恨みというか、関係性が無い女

かつては深く愛し合っていた心の優しい女

 

女性二人の幽霊の設定が秀逸です。

また、役所はこの二人から

”赦し”を得るんですね。

別に役所が痛めつけられるとか、そういうことはないわけです。

(しかし精神的にはボロボロの状態になっていきます)

 

伊原をはじめ、オダギリジョー加瀬亮などの

共演陣がいまひとつ活かされてないような気もしますが

黒沢監督らしい、凝った構図のロケシーンも楽しめますしね。

機会がありましたら、どうぞ本編を。

 

叫  予告編

www.youtube.com