バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

観応え充分、1960年代の深作欣二初期作品 ” 脅迫(おどし)”

 

深作欣二監督の1966年作品。

これは面白い映画ですよ。

個人的には後の任侠シリーズよりも好みですね。

 

 

東京郊外に暮らす三國連太郎春川ますみの夫婦

 

 

子供(後のテレビの青春ドラマでお馴染みの穂積ぺぺ)にも

恵まれて、幸せな毎日なのですが、

 

 

ある日、脱獄犯の西村晃

 

 

室田日出男が自宅に乱入、

三國に誘拐事件の片棒を担ぐよう強要します。

 

 

しかし、子供を誘拐された父親からの

現金奪取に失敗し、

 

 

室田から殴る蹴るの暴行を受けます。

”いいか、今度失敗したらお前たちの命はないぞ”

 

 

妻や子供を人質に取られている三國、

一旦は自分だけ逃げようとしたり、警察に連絡しようかと迷うのですが

そんな気持ちをふっきり

西村と室田に対して、単身で捨て身の反撃を試みることを決意。

さて対決の行方は・・・

 

なんといっても三國と西村の演技が圧倒的で

ハンディカメラを駆使した映像が臨場感満点。

無駄かな?と思えるシーンが幾つかあるような気もしますが

身代金受け渡しのスリリングな展開を

黒澤明の有名作 ”天国と地獄”と

観比べてみたりするのも、面白いかも。

 

 

エンディングに近いシーンなんですが

歩道橋の上に三國が姿を現します。

 

 

現金の入ったカバンを 「もてあそび」ます。

(歩道橋下で待っている西村と室田を怒らせて、おびき寄せる作戦)

 

実にスタイリッシュなカットで、強く印象に残りますね。

 

 

さて、本作の2年前に製作されたのが

今村昌平監督の ”赤い殺意”

こちらでは西村晃春川ますみが夫婦役になっています。

(その家庭を壊していくのが露口茂

 

 

稀代の名女優、春川ますみの圧倒的な存在感を

都会版(深作)& 地方版(今村)

の二本立てで堪能するのも、また一興かと。

 

赤い殺意  予告編

www.youtube.com