バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

誘拐だ!監禁だ!事実は小説よりもホラー・・・”その女アレックス”その他

 

フランスの作家、ピエール・ルメートル

2011年作 ”その女アレックス”

原作の評価も高かったようですが、日本で人気爆発。

ミステリーのランキングもので軒並み第一位を獲得していましたね。

 

ストーリーのテンポが速くて

極めて映像的な描写が続きます。

まさに「読む映画」ですね。

 

ある女性が誘拐事件に巻き込まれます。

警察は必死に捜索に乗り出すのですが

救出前に女性は自力で脱出。

その後、女性の行方が掴めないまま

凄惨な殺人事件が次々と発生・・・

 

ヒネリが実に効いていて、翻訳ものはどうも苦手で~

という人も頁をめくる手が止まらなくなるでしょう。

(訳者の力量も素晴らしい)

 

いかにも映画化されそうな気がしますが

今のところは製作されていないようですね。

(かなり強烈かつ陰鬱なパートがあるので映像にするのは難しいのかも)

 

 

話題作を連発の奥田英朗の ”無理”

月刊誌に3年間に渡って連載された大作です。

(単行本は2009年発行)

 

地方都市 ”ゆめの” に暮らす住人の群像劇で

様々な人物が登場するのですが

彼等はそれぞれにトラブルを抱えていて

刻一刻とその状況が悪化していきます。

 

高校2年生の史恵、路上でいきなり車で近付いてきた男に

拉致されてしまいます。

犯人は20代前半の若い男なのですが

現実世界から乖離した”ゲーム脳” のとんでもない奴。

妄想世界のヒロインになることを強要されてしまいます。

男の言動はどんどんとエスカレートしていき・・・

 

こちらも映像化はまだのようですが

映画よりも数話完結のテレビドラマに

合いそうな気がします。

 

 

飴村行の ”爛れた闇”(2011年単行本発表)は

現代と太平洋戦争中の異なる時系列で

物語が展開されていきます。

 

憲兵に捕まって拷問を受ける上等兵

しかし捕まった際の記憶が欠落しています。

足首や手首を斬られていくうちに

時空を超えて

忌まわしい血の繋がりが明らかにされていく・・・

 

著者の代表作の ”粘膜” シリーズよりはライトな仕上がりですが

唯一無二の飴村ワールドは健在。

 

ここまでで既にお腹いっぱい、もう十分という感じですが

考えてみると広義な意味での誘拐、監禁、拉致といった要素は

ほとんどのミステリー系列の作品に含まれていますよね。

(そうでないと事件が起きないので)

 

 

しかし小説世界より恐ろしいのは

現実に起きる様々な事件の数々。

あくまでも、そういうことは

フィクション~エンターテイメントの枠内で

収めて欲しいものであります。

 

地には平和を・・・

 

Would You Rather (2013)    Trailer

www.youtube.com