昨日に続いて珈琲ネタを。
松本清張の ”点と線” (昭和32年に雑誌連載)は
膨大な数にのぼる著者の作品のなかでも
特に有名な一冊。
映画やテレビドラマ化もされています。
日本の推理小説の金字塔という評価が定着していますが、
その組み立てというかトリックには
ちょっと?の箇所があったりもしますよね。
また、犯人の移動手段として
陸路のみを考えていて、空の便については
途中まですっかり検討外だったりと
やや筋立てがラフのような気も。
清張本ならば、同時期に書かれた
より完成度の高い(気合の入った)作品が
他にいくらでもあるような・・・
ところでこの "点と線"
主人公の警部補が大のコーヒー好きなんですね。
「うまいコーヒーに飢えていて」
「車をとばして、喫茶店にとびこむ」
「コーヒーがおいしかった。これだけは田舎では味わえない」
といった描写があるほどのコーヒー狂という設定です。
警部補は捜査の途中で度々、この喫茶店に立ち寄って
犯人逮捕に繋がる新しい着想を得たりします。
上司からは
「君は喫茶店に行ってコーヒーを飲むと、妙案が浮かぶんだね」
と、からかわれたりもしています。
(店のウェイトレスとは顔馴染みになっていて、軽く会話も交わす間柄。このウェイトレスさんにもうちょいウェイトを置いて、出番を多くしても面白かったのでは?)
それにしても、昭和30年代前半の
喫茶店のコーヒーって
どんな味だったのでしょうね。
部屋で珈琲を飲みながら
推理を巡らせてみましょうか・・・
Just To Let Him Break Your Heart Lou Courtney