バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

西村晃と春川ますみの絶妙な絡み!ウェルメイドな佳品 ”散歩する霊柩車”

 

これはいいですねえ。

日本映画では私的ベスト100入りですよ。

1964年の製作ですが

主演は西村晃春川ますみ

”赤い殺意” コンビ。

 

渥美清が三番手、四番手あたりの配役ですが

霊柩車の運転手役というのが珍しいですね。

 

 

寅さんシリーズが始まる数年前ですが

渥美清はこの時点で

既に相当数の映画に出演しています。

 

 

手許にある書籍を何冊か読み返してみましたが

この作品に触れたものはないですね・・・

 

 

渥美清はほとんど表情を変えず

ポーカーフェイスの演技です。

(プライベートでは徹底した個人主義者だったそうですが、そういった素の顔に近いのでは?)

 

 

脇に曾我廼家明蝶金子信雄

二人とも後年のテレビドラマ、”白い巨塔”(田宮二郎版)で

お馴染みですね。

 

 

最後の最後にどんでん返し、ではなくて

ツイスト~ひねりが冒頭からテンポよく

繰り出されます。

 

ほとんどの登場人物が「消えていく」のですが

捌き方が上手いので、気持ちよく観れますね。

アングルも工夫されていますし。

(監督は佐藤肇、脚本に松木ひろし

 

 

ひとつだけ残念なのは

音楽です。

後に巨匠となる菊池俊輔が手掛けていますが

あまりに平凡というか

ありきたりの伴奏が続いてしまうので

大きく映像の魅力を削いでしまっています。

西村晃が歌うテーマソングは面白いですが。作曲が西村自身!とクレジットされています)

 

 

1964年といえば東京オリンピックの年。

後方にポスターが見えますね。

 

そして東京オリンピックといえば、

市川崑監督の意欲的な記録映画が思い浮かびますが

もし繰り返して観るとするならば

私は、この作品のほうがいいなあ。

再評価されるといいのに・・・

 

散歩する霊柩車  オープニング

www.youtube.com