これはいいですねえ。
日本映画では私的ベスト100入りですよ。
1964年の製作ですが
”赤い殺意” コンビ。
渥美清が三番手、四番手あたりの配役ですが
霊柩車の運転手役というのが珍しいですね。
寅さんシリーズが始まる数年前ですが
渥美清はこの時点で
既に相当数の映画に出演しています。
手許にある書籍を何冊か読み返してみましたが
この作品に触れたものはないですね・・・
渥美清はほとんど表情を変えず
ポーカーフェイスの演技です。
(プライベートでは徹底した個人主義者だったそうですが、そういった素の顔に近いのでは?)
お馴染みですね。
最後の最後にどんでん返し、ではなくて
ツイスト~ひねりが冒頭からテンポよく
繰り出されます。
ほとんどの登場人物が「消えていく」のですが
捌き方が上手いので、気持ちよく観れますね。
アングルも工夫されていますし。
ひとつだけ残念なのは
音楽です。
後に巨匠となる菊池俊輔が手掛けていますが
あまりに平凡というか
ありきたりの伴奏が続いてしまうので
大きく映像の魅力を削いでしまっています。
(西村晃が歌うテーマソングは面白いですが。作曲が西村自身!とクレジットされています)
1964年といえば東京オリンピックの年。
後方にポスターが見えますね。
そして東京オリンピックといえば、
市川崑監督の意欲的な記録映画が思い浮かびますが
もし繰り返して観るとするならば
私は、この作品のほうがいいなあ。
再評価されるといいのに・・・
散歩する霊柩車 オープニング