バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

二人の市 勝新太郎と北野武

 

座頭市といえば

日本映画のキャラクターとしては

男はつらいよ” の寅さん と並ぶ

二大キャラクターですね。

 

映画化第一作が1962年の ”座頭市物語

名匠三隈研次の技が冴えまくる

シリーズ全て(後に二十数本作られる)はもとより

日本映画史上に残る傑作時代劇です。

 

 

勝新太郎天知茂の出会いのシーンからし

ただならぬ殺気がスクリーンに漂っています。

 

両者の座る位置(左右、距離)からして既に勝負開始。

(互いが先に仕掛けられても、ひとまず防ぐことが出来る態勢)

 

 

会話は穏やかに進みますが

勝新は全神経を天知に集中させています。

(魚がかかっても釣り竿はそのまま)

 

 

居酒屋で天知の肩を揉む勝、

天知が病身であることを確信します。

出来ればお前とは闘いたくない・・・

 

 

万里昌代との美しいカット

「わたしはこんな女です。どうぞ顔に触れて確かめてくださいな」

 

 

橋の上での天知との決闘シーン

映画の冒頭で勝新はおそるおそる橋を渡っていますが

この勝負の行方は果たして・・・

 

 

天知は勝の背中で息絶えます。

”お前に斬られて本望だ”

居酒屋のシーンと比べて、両者が真逆の位置関係になっていますね。

まさに「映画的快感」の真骨頂!

 

 

後続の作品と比べて

豪華なゲストが次々登場、といったことが無いので

勝新太郎の圧倒的な演技をじっくりと楽しむことが出来ますね。

 

座頭市物語  予告編

www.youtube.com

 

北野武監督の ”座頭市”(2003年)は

オリジナルには敬意を払いつつも

北野カラー満載のエンタメ娯楽大作。

 

 

北野印の脱力系の笑い満載ですが

浅野忠信柄本明夏川結衣岸部一徳大楠道代など

共演陣は華やかな顔ぶれ。

 

 

北野映画の常連組、大家由祐子の美しさが印象的。

立ち回りも工夫が凝らされていて、見応え充分です。

 

 

勝新太郎北野武

”二人の市”

なんて映画が実現していたら面白かったかもですね。

 

でも、どっちが監督をやるかで

喧嘩になってたかもしれませんけれど・・・

 

座頭市  予告編

www.youtube.com