映画の冒頭、クレジットタイトルが流れる前に
いきなり主役の高峰三枝子が「フン!」
と画面に向かって捨て台詞を吐きます。
高峰の夫(佐分利信)は、覇気が無く
遂には会社を辞めてしまいます。
「自由が欲しい」という佐分利は
家を追い出される羽目に。
勝ち気な性格の高峰の鬱憤(結婚生活9年目という設定)が
遂に爆発したわけですね。
佐分利は特に抗うこともなく
身体一つで家出、ホームレス生活に突入します。
先輩格の男(東野英治郎)に面倒を見てもらい
そのうちに居心地の良さを感じるように。
佐田はオネエ言葉でくねくねと身をよじらせて大熱演。
損得勘定に目ざとく男勝りの淡島との掛け合いが最高。
とんでもハップン
ネバーネバー
おじさま~(おばさま~)
マンもマン スーパーマン
など、トニー谷を思わせるフレーズが次々に飛び出します。
その後ドタバタ劇が続いて・・
最終的に佐分利は高峰とよりを戻すのですが
佐分利は主夫となって
高峰が外で働くことに。
佐田&淡島ペアも目出度く結婚、
こちらも佐田が家事全般を担当して
淡島が勤めに出ることに。
この作品(原作/獅子文六)は
一般的に、「戦前と戦後の価値観の相違」
といった視点から語られることが多いようですが
LGBTマターとして捉えても興味深いですよ。
(監督/渋谷実)
(佐分利が銭湯に入ると先に入っていたのは・・・)
(二人の男、この後「二人で」連れ込み宿へ)
また、当時の代表的な劇団である
役者陣が勢揃いしているのも見どころ。
ただ、伊福部昭の音楽は
ミスマッチだと思うんですけれどもね・・・
ちょっと
ネバー、ネバーかなと。