バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

映画は一時間でこれだけ出来る~日本フィルムノワールの佳品 ”ある脅迫”

 

これは上手い!の一言ですね。

上映時間が一時間ちょっとの

いわゆる添え物~プログラムピクチャーなんですが

下手な大作を観るより、ずっと面白い。

 

金子信雄西村晃は幼馴染。

職場も同じ銀行なのですが

出世コース一直線の金子に対して、

未だに平社員の西村は

卑屈なまでに頭を下げて接しています。

 

 

金子が本店へ栄転する直前、

怪しげな男(草薙幸二郎)が現れて

金子の不正の証拠を突き付けます。

「バラされるのが嫌なら、すぐに現金を出せ」

 

 

窮地に陥った金子

銀行強盗に変装して、金庫の金を強奪しようと計画。

 

 

その日の宿直は

西村でした。

 

 

金子の扮装は見破られてしまい

現金奪取はならず。

「驚かせて悪かったな。これはただの冗談、というか防犯訓練なんだ」

と言い訳をする金子。

 

 

絶体絶命の金子ですが

草薙が崖から転落して

不正が暴かれる恐れが消えます。

 

「これで安心して本店へ行ける。こんなちっぽけな町とはおさらばだ」

とほくそ笑む金子。

 

西村がそんな金子を呼び止めます。

そこで明かされた驚愕の事実とは・・・

 

 

金子と西村の丁々発止の演技合戦が見もの。

 

やたらに威張る↔ひたすら追従

その関係性が一気に逆転していく

ストーリー展開が小気味いいですね。

(原作は多岐川恭の同名短編小説)

 

(最後のカットでも、捻り~ツイストが効いています)

 

監督は蔵原惟繕 (くらはら・これよし)

当時30代前半で

これだけ冴えた映像に仕上げているのは

流石であります。

 

ある脅迫(1960年) 予告編

www.youtube.com