これは上手い!の一言ですね。
上映時間が一時間ちょっとの
いわゆる添え物~プログラムピクチャーなんですが
下手な大作を観るより、ずっと面白い。
職場も同じ銀行なのですが
出世コース一直線の金子に対して、
未だに平社員の西村は
卑屈なまでに頭を下げて接しています。
金子が本店へ栄転する直前、
怪しげな男(草薙幸二郎)が現れて
金子の不正の証拠を突き付けます。
「バラされるのが嫌なら、すぐに現金を出せ」
窮地に陥った金子
銀行強盗に変装して、金庫の金を強奪しようと計画。
その日の宿直は
西村でした。
金子の扮装は見破られてしまい
現金奪取はならず。
「驚かせて悪かったな。これはただの冗談、というか防犯訓練なんだ」
と言い訳をする金子。
絶体絶命の金子ですが
草薙が崖から転落して
不正が暴かれる恐れが消えます。
「これで安心して本店へ行ける。こんなちっぽけな町とはおさらばだ」
とほくそ笑む金子。
西村がそんな金子を呼び止めます。
そこで明かされた驚愕の事実とは・・・
金子と西村の丁々発止の演技合戦が見もの。
やたらに威張る↔ひたすら追従
その関係性が一気に逆転していく
ストーリー展開が小気味いいですね。
(原作は多岐川恭の同名短編小説)
(最後のカットでも、捻り~ツイストが効いています)
監督は蔵原惟繕 (くらはら・これよし)
当時30代前半で
これだけ冴えた映像に仕上げているのは
流石であります。
ある脅迫(1960年) 予告編