バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

10代半ばで既に円熟の境地~あまりに唄が上手かったスティーヴ・ウィンウッド

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スティーヴ・ウィンウッド

ロック界のジャイアントの一人ですが

この人は”神童”タイプのミュージシャンで

既に10代前半からステージで演奏していたという。

 

スペンサー・デイヴィス・グループの一員として

1965年のシングル

”KEEP ON RUNNING” が母国イギリスで第一位獲得。

 

Keep On Running    Spencer Davis Group

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この頃、スティーヴはまだ17歳くらいではないかな。

驚くのは、歌唱力が半端ないこと。

他の有名どころのバンドのシンガーと比べても

突き抜けた上手さです。

 

Gimme Some Lovin'    Spencer Davis Group

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この人は歌が上手いだけでなく

ギターもキーボードも弾けますし

コンポーザーとしての才能もあったんですね。

デビューした時に全てが備わっていたという。

 

この後、

トラフィックブラインド・フェイス

ツトム・ヤマシタのユニット

などに参加しますが、

そこでは、他に目立つメンバーが居たり

サウンドインストルメンタル)重視の作品も多かったので

ティーヴのみにスポットライトがあたったという

わけではありません。

 

ブレイクしたのは2枚目のソロアルバム

”アーク・オブ・ア・ダイヴァー”(1981年)

これは私も当時LPを買いましたね。

シングルヒットも何曲か産まれたんですが

何より、溌剌としているというか

生気に満ちてるんですね。

 

While You See A Chance     Steve Winwood

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全ての曲の演奏、プロデュース、アレンジも手掛けています。

ぶっちゃけ誰の助けも要らない、なにからなにまで自前でOKという

完全無欠の立ち位置です。

 

これからの数作が商業的にはもっとも成功した期間でした。

全米トップ40に10曲以上、ランクインしてましたよ。

 

以降もトラフィックの再結成やエリック・クラプトンとのツアー、

寡作になりはしましたが、ソロ活動も続けています。

 

Can't Find My Way Home    Steve Winwood

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近年の映像ですが、70歳を越えているとは

とても思えませんね。

 

ロックボーカリストの多くは年齢を重ねると

正直かなりボロボロになってしまうケースが多いですけれど

(なにせ超ガテン系の仕事ですから、無理もないのですが)

ティーヴは例外中の例外で、少年時のピュアな声質を保っているというのは

ラクルレベルの出来事であります。

 

外見もスマートなままですしね!

ベストというよりお気に入り ラテン音楽パーソナルTOP10

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ラテンという括りはあまりに広すぎますけれども

よく聴くアルバムをランダムに10枚ほど。

縛りは同一アーティスト(グループ)は1枚のみということで。

あくまで門外漢、ド素人のセレクションです。

 

マルコス・ヴァ―リ “プレヴィザォン・ド・テンポ”

傑作目白押しのヴァ―リ。愛聴盤はたくさんあるのですが、白日夢度100%の本作は

聴く度にトリップ出来ますね。頭の中が(音楽の)ソーダ水ですっきりしますよ。

 

ジョアン・ドナート ”ケン・エ・ケン”

これぞ超ソフィスティケート、押しつけがましさゼロの世界。下手なフュージョンイージーリスニング系のアルバムを100枚買うより満足すること間違いなし。

 

アントニオ・カルロス・ジョビン  ”ストーン・フラワー”

御大ジョビンは60年代の諸作が有名ですけれど、70年発表の本作も渋いですね。アレンジはオガーマンではなくてデオダードが請け負っていますが、良い仕事ぶりです。

 

Children's Games

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アルトゥール・ベロカイ ”アンコール”

2007年作ですが、これは傑作。ブラジル音楽の、ということでなくジャンルを超えてのマスト・バイであります。熟練の板前さんが握る、至高の握りの数々。

 

ワンダ・サー ”ヴァガメンチ”

ロック、ソウル、ジャズなどの女性ボーカルを加えて比較しても、1,2を争うお気に入り盤です。これだけムードが溢れている作品って他に無いでしょう。

 

あなたは愛してくれた

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ロー・ボルジェス ”ア・ヴィア・ラクテア”

ラテンミュージックの巨人ミルトン・ナシメントの盟友のソロ(1979年)。収録曲の粒が揃っている良作ですね。ナシメントとの共作にして稀代の名曲 ”街角クラブ2” 入り。

 

イヴァン・リンス ”Depois dos Temporise”

超ビッグネームの1983年録音盤。こちらも佳曲満載、捨て曲無し。リズムセクション&ストリングスのアレンジもバッチリなんですが、オリジナルのアナログ盤あまり見かけませんね。

 

ブラジルだけで7枚になってしまいました。

あとは駆け足で、

 

ルーベン・ブラデス ”エセーナス”

ニューヨークラテン~サルサの第一人者ですが、ロックミュージシャンとのコラボや俳優業、政治家としての活動などエネルギッシュな人でしたね。これは1985年発表ですが、当時アナログ盤を買ってよく聴いていました。

 

ザ・ウェイラーズ ”バーニン”

バニー・ウェイラーとピーター・トッシュ在籍の最後のアルバム。ボーカル面では、ボブ・マーリー1人になってからよりも好きですね。

 

Stir It Up

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アストル・ピアソラ ”タンゴ・ゼロ・アワー”

言わずと知れた名盤中の名盤。プログレッシブ・タンゴとでも形容すればいいのか、完全にワン&オンリーの音世界です。録音時ピアソラは65歳くらいかな、尽きぬ想像力にただ脱帽。

 

ということで最後は取って付けたようになってしまいました。

あっ、ジョアン・ジルベルト入ってないな。

ブエナビスタも・・・

どだい10枚なんてのは出来ない相談なのですが。

 

しかしラテンの国々

一度はあちこちゆっくり

巡ってみたかったですねえ・・・

 

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できたてのパンとコーヒー、スイーツもね

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日本の喫茶文化~コーヒー、デザートの類って

レベルが超高し。

各種パンも美味しいですよね。

 

でも近年のタイも

なかなかのものなのですよ。

 

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気取らない街角のベーカリー

ランチ時は行列です。

 

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バンコク市内

落ち着いた住宅街の大型喫茶店

ご近所マダムの定番くつろぎスポット

&ケーキ類も人気がありますね。

 

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こちらは日系スーパー隣のパン屋さん、

イートインのコーナーもあります。

画像は改装前のものですが

この頃のほうが素朴で良かったなあ。

 

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学校帰りにちょいと一休み

 

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モールの中の店で

行き交う人をボーッと眺めたり

 

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順に

プロンポンのデパート

バンナー交差点の近く

外国人にも人気のエカマイの有名店

地元タイ人の評価が高いバンナーのカフェ

 

無くなってしまったところもありますけれど。

 

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パタヤも洒落た店が多いですねえ

 

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ガタイの立派な外国人が多いからなのか

食べ切れないくらいの量の朝食セット。

パン、そんなに食べれませんって。

 

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これはウィークエンドマーケットですね。

こういう場所でもクラフトコーヒーが

飲めるようになったんですよ。

 

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ご近所のレストラン&ベーカリー

本格的です

 

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マスター、美味しいですよ

コーヒー。

ケーキもお願いしま~す

 

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加山雄三のお父さんは超イケメンだった~上原謙主演の ”浅草の灯”

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80歳を越えて、今なお

精力的に芸能活動を続けている

加山雄三

30年ほど前に亡くなられていますが

お父さんの上原謙は、

一世を風靡した2枚目俳優でした。

 

戦前戦後を通じて膨大な数の映画に出演していますが、

自伝の ”がんばってます” (共同通信社/1984年)

で、かなりの頁を割いて

もっとも気に入っている作品として

”浅草の灯” (島津保次郎監督/1937年)

を挙げています。

 

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舞台は大正時代の浅草

相手役はデビュー間もない

当時19歳の高峰三枝子

 

二人はいわゆる「浅草オペラ」の劇団員

という役柄です。

 

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団員仲間として、多くの俳優さんが出演しているのが

一つの見どころです。

 

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まずびっくりするのが

歌って踊る若き日の杉村春子

歌唱力も相当なもので

戦後の小津映画のおばさん役からは

想像できない艶姿

 

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既に芸達者で

”別れてもいいから、手切れ金を頂戴!”

と何度も叫ぶ場面がお茶目です。

 

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誰だかお分かりですか?

 

笠智衆

 

これまた老け役(原節子のお父さん、寅さんの御前様など)の時とは

まったく印象が違いますね。

 

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黒澤明の作品でも

特に有名な ”生きる” (1952年)

重要な役どころで好演していた

日守新一という俳優さんが居ますが、

 

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こちらの作品でも

少しだけ映るシーンがあります。

 

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うーん、若い!

ちょっと気づきませんね・・・

 

上原や仲間たちは協力して

窮地に陥った高峰を助けるのですが、

後の任侠映画高倉健のように

威勢よく啖呵を切る上原謙が新鮮です。

 

容貌の良さだけが求められている

「ただ出ていればいい」映画と異なり、

演技の見せ場が多く、ご本人にとって

会心の出来だったのでしょうね。

(実際、かなりハードな殴り合いの場面などもあります)

 

さてさて、上原&高峰のご両人は

40数年後に湯煙のなかで共演を果たします。

随分と話題になったので、覚えている方も居られるでしょう。

 

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若き日の二人のあいだには

ロマンスがあったのでしょうか?

自伝では、「高峰さんとは妹のように接していた」

と書かれていますね。

 

ちなみに息子さんの加山雄三

どちらかというとお母さん(小桜葉子)似ですね。

上原と加山は一時、茅ヶ崎市

パシフィックホテルという

リゾート施設を経営していて

子供の時分に何回か遊びに行ったことを

うっすら覚えています。

 

映画やテレビの歌番組の撮影にも

よく登場してましたね。

例えばガメラシリーズの

ガメラ対宇宙怪獣バイラス” (1968年)とか。

 

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特撮セット

 

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実際のロケーション

 

おっとっと

浅草からすっかり場所が変わってしまいましたので

この辺りでお終いということで。

45回転のシングル盤の音世界をCD~コンパクトディスクで再現すると

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小西康陽野宮真貴の名ユニット

ピチカート・ファイヴの10作目

”ハッピー・エンド・オブ・ザ・ワールド

(1997年発表)

 

力作揃いのピチカートの作品のなかでも

「畳み掛け度」では1,2を争う

テンションの高い楽曲集です。

 

イッツ・ア・ビューティフル・デイ  PIZZICATO FIVE

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作品のコンセプトは

当時、音楽フォーマットの主流だったCD

~コンパクトディスクを

シングル盤(1分間に45回転)に見立てる、

というユニークなもの。

 

シングルレコードは長くても4~5分程度の

”持ち時間”ですが

CDは十倍以上も収録時間があるわけで

そのあいだを一気に駆け抜けることになります。

 

ですので、収録されている曲には

スローなバラードは一切無し。

曲間もナレーションやサウンドエフェクトを駆使して

休憩無しの、めくるめく60数分間。

 

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発売から四半世紀を経過していますが

今なお色褪せない音世界は

流石です。

 

My Baby Portable Sound     PIZZICATO FIVE

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このアルバムの終盤に

”私の人生、人生の夏”

という、ひと際

耳に残るナンバーが収録されています。

 

長引くコロナ禍の今聴くと、

よりハートに響く素敵な曲ですよ。

 

私の人生、人生の夏  Kahimi Karie

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このカバーもGOODですね。

小泉今日子も歌ってます)

 

勿論、本盤の野宮真貴も最高であります。

機会がありましたら

聴き比べなど

是非どうぞ。

 

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1963~1964 女優 左幸子の濃密な2年間

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亡くなって20年ほど経ちますが

左幸子、という女優がいます。

 

50年代から映画出演をしていますが

キャリアの最盛期は60年代。

日本の映画史に残る作品群に

立て続けに登場します。

 

飢餓海峡” 監督/内田吐夢

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全編3時間という超大作。日本各地で大々的なロケを行っており、スケールの大きい作品。出演シーンは前半のみですが、主演の三国連太郎に一歩も引けを取らない存在感があります。(後半パートはよくある警察チームVS犯人ドラマなので、やはり左と三国の絡みがある中盤までが見どころ)

 

予告編

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”にっぽん昆虫記” 監督/今村昌平

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東北の寒村に産まれたある女性の「ど根性一代記」。まさに今村監督好みの題材で、熱気ムンムンの123分。左は娘時代~中年~老け役を一気に演じ切り、そのテンションの高さに圧倒されます。

 

予告編

www.youtube.com

 

”彼女と彼” 監督/羽仁進

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こちらはガラリと作風が変わり、東京の団地で暮らす主婦役。(インテリタイプの夫には岡田英次)取り立てて不満の無い日常が、徐々に崩壊していく過程が斬新なタッチで描かれています。

 

予告編

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この3本は国内外で高い評価を受けたのですが、

左幸子の圧倒的な演技力に唸るばかりです。

(撮影も素晴らしい。飢餓海峡/仲沢半次郎 にっぽん昆虫記/姫田真佐久 彼女と彼/長野重一

 

70年代以降は私生活のトラブルや体調の悪化に悩まされ

活動のペースが鈍りましたので、

他の女優さんと比べて見過ごされがちですが

この3作品での輝きはまさに日本映画の宝。

未見の方は是非、本編をどうぞ。

 

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雨に濡れながら立たずむ街がある

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やーくそくしたじーかんだけが

躰をすり抜ける、

というわけですが。

 

雨 三善英史

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まさに日本の梅雨空が続いてるんですよね。

朝から曇り気味で降ったり止んだり、

日が射さないから涼しいので

タイの人はこういう天気

歓迎なんですけれども。

 

でも程度を越えてしまうのも

ちょっとね。

 

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10年前のタイ大洪水の際、

知り合いのタイ人の庭の惨状。

こうなるとなかなか水が引かないですね。

衛生的にも宜しくないし。

 

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住宅の広告で

「洪水心配ないっすよ、ここ」

 

タイは全国的ですね。

バンコクも地方も水害が多いです。

 

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昔と違うのは

傘、ですかねえ。

 

以前は傘を持ってる人

少なかったんですよ。

止むまで待つか、少々濡れても気にしないの2択。

最近は携帯している&少々の雨でも差している割合が増えましたね。

 

時間の約束がタイトになったり、

濡れると困る(冷房のきいた屋内に戻ると風邪をひく、モバイル機器へのダメージ、靴や服を気にする)

ことが多くなったからでしょう。

 

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でも、

雨宿りのひと時って

いいものですよね。

タイをはじめとして東南アジアの国って

似合うと思うんですよ。

そのあいだの空気感というか色彩が。

上手く表現出来ませんけれど・・・

 

そう言いつつも、出来れば今この時

1時間でもいいから

止んでくれないかなあ。

ちょっとだけ買い物に行かしてもらえると

嬉しいなあ。

夜はずっと降ってもいいからさ。

 

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Rain Song    KLEAR

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