バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

映画

THE KILLING~レザボア・ドッグス~パルプ・フィクションの三段活用

クエンティン・タランティーノの初期作品 ”レザボア・ドッグス” (1992年) ”パルプ・フィクション” (1994年) タランティーノ ファンのみならず 映画好きの方なら拍手喝采の 素晴らしき二連発。 特に後者は歴代映画ベスト100、200などの ラ…

主演が森繁&宍戸錠のデビュー作 "警察日記" でも本当の見どころは・・・

久松静児監督の1955年作品。 まずは役者陣が豪華な顔ぶれです。 森繫久彌、三國連太郎、伊藤雄之助、東野英治郎、殿山泰司、三島雅夫 杉村春子、沢村貞子、十朱久雄、稲葉義男・・・ 主役は森繁ということになっているのですが、 幾つかのエピソードが積…

美味しいタイのラーメン~その基準はなかなかに難しいのだ

日本とタイ どちらも麺類大国。 それぞれにさまざまなタイプがあって 実に奥深い、 それこそ”小宇宙”とでも呼べるような 世界を形成してるような気もします。 「どこか、旨い店知りません?」 と聞かれることもあるのですが、 これに答えるのって結構難しい…

助けてくれえい!と逃げ惑う錦之助が珍しい、今井正監督の ”仇討”

今井監督の1964年度作品。 主演は中村錦之助ということで 圧倒的な強さ&華麗な刀捌きで 敵を次々切り捨てていくのかと思いきや、 そうでないんですね。 弱いんです、この映画の錦之助は。 剣の腕前もそうだし、精神的にも非常に脆い。 急に逆上したり、…

家族の絆こそが心の拠りどころ~山田五十鈴のお母さんが優しい ”我が家は楽し”

中村登監督の1951年作品。 大作、話題作、注目作といった映画ではありませんけど 実に愛すべき1本であります。 テーマはずばり家族愛。 戦後間もない時期ですから まだまだ生活が大変なわけで 実際に色々と問題が持ち上がるのですが、 親は子を 子は親…

「存在感の薄い」三船敏郎が印象に残る、有馬稲子主演の”ひまわり娘”

有馬稲子の東宝専属第一作(1953年)で 監督は千葉泰樹。 まだ20代そこそこの有馬稲子は確かに美しいのですが タイトルのひまわり~から想像されるような おてんば娘といった役の設定ではなく むしろシリアスな顔つきの場面が多いですね。 (目力の強…

日本映画史上でもっとも美しい女優、それは三宅邦子

大女優、名女優と呼ばれる人は他にも 数多く挙げられますが 私はこの人、本当に美しいと思いますね。 一般的には戦後の小津作品に続けて出ていましたので そのイメージが強いかな、 あるいはオロナイン軟膏の看板とか。 1938年の "半処女" (佐々木啓祐…

ヒッチコックの若々しいラスト2作品 ”フレンジー””ファミリー・プロット”

巨匠ヒッチの1970年代に撮られた 晩年の2本、 どちらも大傑作!というわけではありませんが テンポも快調で、一見の価値大いにあり。 1972年製作の ”フレンジー” は ヒッチにとって久しぶりの英国ロケということで オープニングのテームズ川空撮シ…

みんな事情があるから、一緒に生きる  "I AM SAM"と"ギルバート・グレイプ"

"I AM SAM"(2001年) "WHAT'S EATING GILBERT GRAPE"(1993年) この2本には”事情”をもった人物が登場します。 通常は障害~障がい という言葉を用いるのかもしれませんが 私は事情、という言い方がしっくりくるんですね、 あくまで自分が自分に対…

大ブレイク直前の高倉健が主演した”いれずみ突撃隊”(1964年)

東京オリンピックの開催された 1964年(昭和39年)封切りの 高倉健主演作品。 当時の実年齢は30代前半、 しかしもっと若く見えますね。 仁義を切る場面などは 超強力な肉体を手に入れた渥美清 といったところでしょうか。 素晴らしいのは上官を演じ…

わがご近所は緑なりき~HOW GREEN WAS MY NEIGHBORHOOD~

大都会バンコクも表通りを離れて小径に入ると 緑にあふれた世界が広がります。 ご近所もこんな感じ。 さて見出しをみて、映画好きの方はお気づきでしょう。 ジョン・フォード監督の名作 わが谷は緑なりき~HOW GREEN WAS MY VALLEY~ (1940年) のもじ…

ミュージカル!ミュージカル! 至宝のダンスシーンを堪能しよう

ずっと以前、日本の知人と映画の話になりまして。 絶対にミュージカル映画は観ない、というんですね その方。 訳を聞いてみたら 「なんで会話の途中でいきなり踊りだしたり、突然歌い始めるんだ? そんなのおかしいだろ!」 とのこと。 うん、まあ確かにそう…

タルコフスキー vs KUROSAWA 映像美の極致に浸る

映画の魅力って色々と挙げることができると思います。 よく練られた脚本、豪華スター共演、最新のCGやSFX技術・・・ では ”映像美” というキーワードで思い浮かぶ作品はというと その筆頭のひとつはこちらかと。 www.youtube.com 言わずと知れた黒澤明の”乱”…

実際の冤罪事件を題材にした今井正監督の真骨頂 "真昼の暗黒"

”青い山脈” ”また逢う日まで” ”ひめゆりの塔” “キクとイサム” など日本映画史に残る作品を多数製作した 巨匠、今井正監督の力作(1956年) 脚本は ”七人の侍” ”白い巨塔” ”砂の器” を手掛けた これまた第一人者の橋本忍。 老夫婦が殺され、犯人の青年は…

AVANT-GARDE or UNDERGROUND~等しく映画なり

高校の頃だったかな、 学校サボって(いつものことですが) 新宿の映画館で観たんですよ。 フリークス(1932年) 監督/トッド・ブラウニング ピンク・フラミンゴ(1972年) 監督/ジョン・ウォーターズ 今思うと凄い2本立て、です。 当時はDVDや無…

若き日の清順美学がキラッキラッ ”すべてが狂ってる”(1960年)

当時30代だった鈴木清順の快作。 いってみれば日本版ヌーヴェルヴァーグなのですが 冴えたカメラワーク、役者陣の好演、ファンキーな音楽で 実に愛すべき作品であります。 母親に対して屈折した感情を抱き続ける青年(川地民夫) とその仲間たちの無軌道な…

語られることの少ない小津監督の1935年作品 「東京の宿」

小津監督には”東京”の2文字が入る作品がかなりあります。 東京の合唱 1931年 東京の女 1933年 東京物語 1953年 東京暮色 1957年 そして1935年の「東京の宿」 主演は坂本武に岡田嘉子 岡田は30代前半ですが、落ち着いた美しさに気品が…

黒澤明監督の実質的遺作「夢」 頭師佳考の演技こそが圧倒的

黒澤監督の1990年作。 この後にも2本撮っていますので、最終作というわけではありません。 が、この一本は明らかに 監督の”遺言”です。 自身の子供の頃、青年~壮年時代、そして葬列の場面までが描かれています。 黒澤監督に扮するのは寺尾聰(最後の老…

あまりにも日本人の感性にぴったり、イタリア映画の名作 ”鉄道員”

1956年製作のイタリア映画 とりわけ日本では人気の高い作品ですね。 なんといっても(特に昭和世代の)日本人の涙腺崩壊を 見事なまでに誘う2時間であります。 大酒飲みで直情型の父親が鉄道事故を起こしたことから 家族の絆が次々と崩れていきます。 …

歴代日本映画の名女優への名インタビュー~川本三郎

映画評論家の重鎮であり、 多数の著作をもつ川本三郎の1冊。 1990年代に雑誌連載されていた 女優さんへのインタビューをまとめたものです。 今では半分くらいの方が亡くなられていますね・・・ 川本氏自身がこれらの女優さんの大ファンであり、 またそ…

素晴らしきかな、日本のロードムービー ”有りがたうさん”(1936年)

名匠、清水宏監督の76分の小品。 これ素敵ですよ、いい映画だなあ。 ホントにホントに素晴らしい。 伊豆を走る乗り合いバスの運転手に上原謙、 その乗客に桑野通子。 バスには他にも様々な事情を抱えた人が乗っていて セリフの絡み合いが面白い。 車内の人…

無駄なカットが一切無し、これぞ匠の技~溝口健二監督の「近松物語」

映画を観ていると 時々(しばしば)、ありません? ”なんかかったるい場面が続くなあ” ”このシーン、別に必要ないんじゃないかな” とか。 監督や脚本家には思い入れとか必然性があるんでしょうけれどね。 その意味で言うと、この作品(1954年)は 完全無…

中村錦之助が一人七役! 海外で評価の高い”武士道残酷物語”

ベルリンで金熊賞を受賞した 今井正監督の代表作ですね(1963年) ある家系の悲劇に満ちた歴史を描いているのですが 主役の錦之助が 戦国、江戸、明治、昭和に至るまでの過程を 七役演じ切っています。 森雅之に言い寄られる若衆役では ちょいと無理があ…

オールロケVSオールセット 賞獲りでも明暗を分けた二つの「楢山節考」

楢山節考、 1956年に発表された深沢七郎の小説。 いわゆる”親捨て”の物語で ある年齢以上の日本人には 良く知られていると思います。 2回映画化されていますが 知名度があるのが 1983年の今村昌平監督版。 なんといってもカンヌでグランプリでした…

相当にストレンジ~BというよりC級か、のホラー系洋画2本

2007年のアメリカ映画 "TEETH" 主人公のジェス・ワイクスラー、 学園生活を謳歌しているように見えますが 彼女にはある秘密があったのです・・・ なんと彼女の身体のなかには牙が生えていて・・・ 次々と男性たちが恐ろしい目に、という 典型的B級テイス…

ギャンブリング、ギャンブリング・・・ところで何を賭けましょうか?

ドラッグやアルコールなどと同様に ギャンブル依存症、というのも耳にしますよね。 で、これまた種類が豊富。 それに日常生活のあらゆる場面で成立しちゃうでしょう? やろうと思えば。 ”次、ドアを開けるのは男それとも女?当てたほうが10万円” とかね。 …

暗い、ひたすらどんよりと重い小津監督の異色作 ”東京暮色”

これは非常に”沈んだ”映画ですね。 ほのぼの~日本情緒的なイメージをもって観てしまうと 大きく期待を裏切られることになりそうです。 小津の戦後の作品のなかでも 異常なほどダークかつ 描き方がストレートに”意地悪”です。 主役の有馬稲子は後年のインタ…

ローズマリーの赤ちゃん~本当に怖いのはポランスキー自身なのかも・・・

1968年のアメリカ映画 監督はかのロマン・ポランスキー。 ホラー系作品としては特に知名度の高い1本ですね。 ただ”怖さ”という点では、やや弱い部分もあるかな・・・ 前半部分、ミア・ファローの悪夢のパートで もう全部、分かっちゃう流れになってます…

フランキー堺の熱演も・・・日本ではミュージカル映画はやはり難しいのか「君も出世ができる」

1964年の東宝制作、 メンツはフランキーに高島忠夫、雪村いづみ、浜美枝 益田喜頓、有島一郎、中尾ミエ・・・ かなり力の入った作品で 音楽が黛敏郎、作詞が谷川俊太郎です。 うーん、しかし ミュージカル=唄って踊る、の両立という点からみると やはり…

ホフマンがあまりにハマり過ぎの”真夜中のカーボーイ”

観てない人は居ないんじゃないかという 超有名作品。(1969年) 観返すと、かなり性的(&それに関わるバイオレンス) なシーンが多いことに改めて気づきますね。 家族揃って楽しめる、映画ではないですよね。 もうダスティン・ホフマンの演技が圧倒的。…