映画
昨日の ”トルブナヤの家” と同じく ボリス・バルネットの1927年度作品ですが これまた良いですね~ 一人の少女(アンナ・ステン)を巡って 二人の青年が恋のシーソーゲームを繰り広げるわけですが 話の中味は結構凝っていて、住宅問題や偽装結婚など 社…
1928年のロシア映画ですが これは傑作といってよい 秀逸な出来映え。 この時代には ”黄金狂時代” ”サンライズ” ”裁かるるジャンヌ” ”キートン将軍”などなど 映画史に残る作品群が続々と誕生していますが それらと比肩しても見劣りのしない86分間です。…
カルトというか トンデモ、悪趣味、変態ムービーの 代表的な作品に必ず挙げられる ジョン・ウォーターズの ”ピンク・フラミンゴ" (1972年) ウォーターズはこの時期 似たようなテイストの作品を連発していました。 キャスティングがいつも同じ顔ぶれで…
浅田次郎原作の2006年の映画化 (監督/河野圭太、出演/伊東美咲、西田敏行、志田未来、成宮寛貴、渡辺典子、桂小金治、國村隼、綿引勝彦、余貴美子、市毛良枝) 既に死んだ人間が 期間限定でこの世に戻ってくる という、小説や映画では割とよくあるモ…
これは傑作ですね。 オリヴェイラ監督の長編第一作(1942年) 舞台は監督の故郷でもある 港町ポルト 既にロケーションからして絵になるシーンのお墨付き。 お話は一人の美しい少女を巡っての 小さな恋の鞘当て合戦。 女の子役の Fernanda Matos は 可愛…
あまり知られている作品ではありませんが これは拾い物。 1980年のポーランド映画で 監督は Piotr Andrejew 2019年に60歳で亡くなっていますが 長編映画は5本程度と それほど多くは残していません。 時は1998年 テレビ修理工の Marek Barbasi…
トニー・リチャードソン監督の1967年製作。 原作がマルグリット・デュラスで 主演がジャンヌ・モロー この組み合わせは前年に公開されて 高評価を受けた ”マドモアゼル” と同じなんですね。 なので期待が高まるわけですね。 オープニングタイトルも凝っ…
宇野重吉が頑固で一本気な画家 芦川いづみが父親想いの娘に扮する 70分弱の小品です。 (1961年公開) 宇野は腕は確かなのですが 世間で受けるような派手な作品を嫌い 風景や静物画ばかりを描いています。 一般的な知名度はほぼゼロ。 芦川は自分がモ…
アンジェイ・ワイダ監督の有名作ですね。 両作品はまさに正続編の繋がりになっていて 一大叙事詩の趣があります。 ワルシャワの放送局勤務のクリスティナ・ヤンダ 1950年代に「模範的な労働者」としてもてはやされた イエジー・ラジヴィオヴィッチの記録…
1951年のポーランド キャバレー歌手のクリスティナ・ヤンダは夫と口論、 気分がむしゃくしゃしたこともあって 酒場で見知らぬ男たちと飲み明かし すっかり泥酔してしまいます。 頬を激しく叩かれて 目覚めると なんとそこは留置場 何故捕まったのか まっ…
アンジェイ・ワイダ監督の 長編4作目(1960年) あまり取り上げられる作品ではないですけど 実に、本当に、圧倒的に 素晴らしい映画ですね。 もうオープニングの入り方からして 唖然とするセンスの良さ。 クシシュトフ・コメダの音楽がこれまた最高で。…
1965年公開のクレージーキャッツ映画 監督はお馴染みの古澤憲吾。 結成十周年を記念してということで スケールの大きい力作に仕上がっていますね。 (当初からメンバーだったのはハナ肇と犬塚弘のみ) 植木と谷が主役なのは 他のシリーズと同じですが 本…
映画アワード総取り監督の ミヒャエル・ハネケの2作品を。 死をモチーフにすることが多いハネケ作品でも その捉え方が180度異なる映画ですね。 2012年の "愛、アムール” は 老夫婦(共にピアノ教師)の 究極の愛の形をじっくり描いた127分。 心身…
ミヒャエル・ハネケ監督の ”ファニーゲーム”(1997年) 「観ていて不快になる」映画の筆頭格に挙げられる作品ですが 2008年に自身でリメイクしたのが ”ファニーゲーム U.S.A” ちょっと両者を観比べてみましょうか。 一組の夫婦と息子が 湖畔の別荘へ…
ミハイル・フォーキン振付の 有名バレエ作品を エフゲーニー・バウエルが 1917年に映像化したものです。 バレエをこよなく愛する ヴェーラ・カラーリィが父親と散歩をしていると ハンサムな青年(ヴィトールド・ポロンスキー)に話しかけられます。 「う…
トニー・リチャードソンの監督第二作目(1960年) 舞台は1956年のイギリスのリゾート地 MORECAMBE~モアカム ローレンス・オリヴィエは 町の劇場の製作者兼花形スター (と自分では思っている) 現実には客席はガラガラで お情け程度の拍手しか貰え…
セルゲイ・エイゼンシュテインの 監督デビュー作ですね(1925年) エイゼンシュテインといえば もう条件反射的に”戦艦ポチョムキン”(本作の次に製作) そうなるとイデオロギーやらプロパガンダやら 難しい方向に話がいきがち。 この作品もタイトルから…
映画黎明期の巨匠の一人 エフゲーニー・バウエル(ロシア)の "DAYDREAMS"(1915年) 最愛の妻 F. Werchowzewa を亡くした Alexander Vyrubov あまりのショックで茫然自失の日々 妻の絵を見るたびに 幸せだった日々を思い出すばかり。 気分転換のために…
バフティヤル・フドイナザーロフのデビュー作。 撮影当時は20代半ばという若さでしたが 既にそのテクニックは完成の域に達していて モノクロの画面からは ベテラン監督の風格さえ感じますね。 祖母と暮らしている二人の兄弟が 離れた土地で暮す父親に 機関…
タジキスタンの鬼才 バフティヤル・フドイナザーロフ監督の 1993年度作品。 ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞していますね。 ストーリー自体はごくシンプルで タジキスタンの首都ドゥシャンベを舞台にした 若い男女(ダレル・マジダフ/パウリー…
僅か6本の長編作品を残して 世を去った バフティヤル・フドイナザーロフ監督の 1999年度作品。 ちょっと 取っ散らかってる印象がありますけど 紛うことなきマスターピースではないかな。 映画史に残る逸品ですよ。 タジキスタンの湖沿いの村に暮らす チ…
この前夢をみまして。 といっても昼寝だったんですけどね。 だいたい夢というのは奇天烈な内容ですけれど 風変わりだったんですよ、かなり。 なんかね、映画を撮ろうとしてるんですね 夢のなかで。 モチーフがヤマアラシなんですよ。 あのトゲトゲが身体につ…
製作されたのが1926年(監督/W・S・ヴァン・ダイク) 翌年公開された後、長きにわたってフィルム所在不明とされ 2014年にニューヨーク近代美術館の手によって発見されたという まさに幻の映画。 ワンダ・ホウリーは 雪深い山中に夫と小さい娘の …
社会派の巨匠 山本薩夫監督の1959年度作品。 キネマ旬報のランキングでは その年の第6位とかなりの好評価 石川達三の同名小説が原作です。 小学校が舞台で 子供たちのエピソードも出てはくるんですが それは傍系で ドラマの中心は教職員の組合活動に関…
アルフレッド・ヒッチコックの ごく初期の作品ですね(1927年) 撮影時は26,7歳の頃ですが 既にベテランの風格というか バランスの取れた一時間半に仕上がっています。 随所に”ヒッチ・タッチ” の特徴が既に現れていて やはり出来る人は最初から出来…
群馬交響楽団の草創期の苦闘をベースにした 今井正監督の1955年作品 (どうしても泉でなく、幸と読み間違えてしまう) 高崎の市民オーケストラのマネージャー 小林桂樹の夢は 東京の一流オーケストラに負けない 実力を備えた管弦楽団を育て上げることな…
家城巳代治監督の1955年作品。 キネマ旬報のランキングでは その年の第5位と高評価 野添ひとみと中原ひとみの 姉妹愛の物語です。 敬虔なクリスチャンの野添 おきゃんな中原 対照的な二人のキャラクターの絡みが ユーモラスに描かれています。 中央奥が…
ジョン・セイルズ監督の2002年度製作。 それほど有名作ではありませんが なかなかの秀作ですね。 フロリダの寂びれた風情の田舎町で繰り広げられる 群像劇なんですね。 大規模な再開発話が持ち上がっていて 住人たちは賛成派と反対派に別れて ちょっと不…
基本、映画はどこまで無駄を削ぎ落せるか という編集の勝負ですけれど 無駄があったほうがよい作品もあるんですよね。 ジョン・カサヴェテスの本作も その最たる例(1976年製作) 主人公はロスアンゼルスの場末のクラブオーナー ベン・ギャザラ 闇の賭博…
戦後かなり出演作品の多い 大河内傳次郎主演の1952年作品 (監督/木村恵吾) 大河内扮する浪人が 三万両の大金を江戸から京都に運ぶ ミッションを拝命。 それを狙って様々な人物が入り乱れ 大河内を慕う娘(折原啓子)や 恋敵で大河内に嫉妬メラメラの…