バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

SUNSHOWER

"SUNSHINE THROUGH THE RAIN" from "THE DREAM" (1990) Akira Kurosawa www.youtube.com

日本版のマルホランド・ドライブ? 小林政広監督の ”フリック”

これはね、いいですねえ。 観ている時よりも あとになってね その魅力が分かりますね。 香川照之と田辺誠一の二人の刑事が 東京で発生した猟奇殺人の謎を追って 苫小牧で事件の謎を追う という話なんですが、 観ているうちにすぐ 気づくんですね。 あれっ、…

蘇る70sの素晴らしき歌声~フランキー・ヴァリのソロ作品

フランキー・ヴァリといえば 勿論フォー・シーズンズのリードボーカリスト 近年はジャージー・ボーイズでもよく知られてますね。 ヴァリは1970年代にソロアルバムを 精力的に発表しているのですが 佳曲が多いんですよ。 "MY EYES ADORED YOU" (1974) www…

怪談&コメディ&ツイスト~ほど良くまとまった ”牡丹灯篭”

怪談話としてはとてもポピュラーで 何度も映像化されていますね。 この山本薩夫監督版は 1968年度の制作ですが 脚本(依田義賢)が技あり、 なんですよね。 武家の三男坊 本郷功次郎が 同じく武家の娘でありながら 吉原の遊女となっている 赤座美代子と…

女性無視、男子体育会系SF映画の ”戦国自衛隊”

1979年公開の角川映画 (監督/斎藤光正) 流行ったんですよね、当時 自衛隊が戦国時代にタイムワープしてしまうという。 しかも戦車とか哨戒艇とかヘリコプター 迫撃砲とか機関銃などの武器多数も一緒に。 時代が時代ですから これは武将からしたら 超…

派手な料理 地味な果物

見た目の色合いが なかなかインパクトあるでしょ。 腐乳、ですね。 ピンクのカラーは紅麴由来。 味のほうは 店によって随分と違いますね。 白飯に好きな惣菜を選んで盛ってもらう タイの ”ぶっかけご飯” 色々なおかずを少しずつ試せますから あまり量を食べ…

ここには自分の居場所がない・・・イラク邦人人質事件をベースにした ”バッシング”

昨日に続いて小林政広監督の作品を。 ”バッシング” は2004~5年に発生した イラクでの日本人人質事件がモチーフになっています。 卜部房子はアラブ某国でボランティア活動をしていた際 武装グループに人質にされ、後に解放。 現在は北海道の海辺の町で …

誰も自分を必要としない・・・突き抜けるような孤独を描いた ”ワカラナイ”

2022年に亡くなった小林政広監督の2作品を 今日明日で観てみましょうか。 直接のリンクはありませんが 共通した主題を持つ どちらも実に観応えのある作品です。 小林優斗は地方都市に暮らす高校生 父親は家を出ており、母親は入院中 コンビニのバイトで…

前半ほのぼの、後半はサイコサスペンス?ノルウェー映画 ”卵の番人”

これはなかなか 食わせ物というか 一筋縄ではいかない映画ですね。 (監督/ベント・ハーメル) ノルウェーの片田舎の一軒家に 年老いた兄弟が暮らしているんですね。 (ヒュル・ストルモーン/スヴェレ・ハンセン) 前半パートは二人の生活ぶりを ユーモア…

オープニングのタイトルバックが洒落ている "BYE BYE BARBARA"

1970年のフランス映画 (監督/ミシェル・ドヴィル) ポップスやロックナンバーでは 「イントロが決め手」とよく言われますけど まさにその線を狙って ピシャリとハマった作品ですね。 バーに美しい女(エヴァ・スワン)が入ってくる 店に居た客の新聞記…

人間ではない隣人たち

向日葵がいっぱい

TEARS FOR FEARS 1981年に結成された UKの男性デュオですが 今に至るまで息の長い活動を継続中。 "SHOUT" "EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD" あたりのヒット曲は耳にしたことがある人も多いでしょう。 さて、このバンドのアルバムジャケットや歌詞カ…

中途半端でどこかよそよそしい・・・今井正監督の “由起子”

巨匠今井正の1955年度作品 日本映画にもっとも勢いがあった頃の映画ですね。 津島恵子と木村功の恋愛物語なんですが はっきり言って 盛り上がらないんですね。 二人の性格設定があまりに真面目で 柔らかい情感のようなものは皆無。 僕は間違っているでし…

男はつらいよ、ではないちょっと珍しい渥美清主演映画 ”あゝ声なき友”

1969年から始まった ”男はつらいよ” その後に50作も作られることになる まさに昭和の時代の国民的映画でした。 渥美清は70年代以降はそれ以外の映画出演は 軽い役柄のあくまでゲスト的なものばかりになるのですが 本作は自らが企画(製作プロダクシ…

予算もマンパワーも大量投入、しかし出来の方は・・・”復活の日”

深作欣二がメガホンを取った 小松左京原作のSF大作ですね。 (公開は1980年) 地球終末モノなんですが 致死率の高い感染症で人類がボロボロになっているところに 核ミサイルが世界各国に発射され 完全にとどめを刺されるという かなりヘビーな2時間半。…

軽快に動き回る佐久間良子がキュートな ”太平洋のGメン”

1962年(昭和37年)の 石井輝男監督による 東映ギャング路線の一作ですね。 太平洋、とタイトルに付けられていますが 洋上のシーンはごく僅か。 ロケは関東/関西各地で行われていますね。 本作の魅力はなんといっても佐久間良子。 一般のイメージです…

ウルトラモダンでスーパーキュート、一世紀前に作られた ”帽子箱を持った少女”

昨日の ”トルブナヤの家” と同じく ボリス・バルネットの1927年度作品ですが これまた良いですね~ 一人の少女(アンナ・ステン)を巡って 二人の青年が恋のシーソーゲームを繰り広げるわけですが 話の中味は結構凝っていて、住宅問題や偽装結婚など 社…

サイレント映画の至宝、ボリス・バルネットの ”トルブナヤの家”

1928年のロシア映画ですが これは傑作といってよい 秀逸な出来映え。 この時代には ”黄金狂時代” ”サンライズ” ”裁かるるジャンヌ” ”キートン将軍”などなど 映画史に残る作品群が続々と誕生していますが それらと比肩しても見劣りのしない86分間です。…

センス抜群だが放送禁止で残念・・・円谷プロの2作品

あまりにも有名なウルトラシリーズの第四弾 ”ウルトラセブン”(1967~1968年) 円谷プロのテレビ番組は その後も続々と製作されていくわけですが おそらく頂点に位置するのが 本作のセブン、でしょうね。 全部で49話が放送されたのですが ”欠番”に…

LINE UP!

良い子はお断り~ジョン・ウォーターズの "FEMALE TROUBLE" & "DESPERATE LIVING"

カルトというか トンデモ、悪趣味、変態ムービーの 代表的な作品に必ず挙げられる ジョン・ウォーターズの ”ピンク・フラミンゴ" (1972年) ウォーターズはこの時期 似たようなテイストの作品を連発していました。 キャスティングがいつも同じ顔ぶれで…

天国は待ってくれる・・・”椿山課長の七日間”

浅田次郎原作の2006年の映画化 (監督/河野圭太、出演/伊東美咲、西田敏行、志田未来、成宮寛貴、渡辺典子、桂小金治、國村隼、綿引勝彦、余貴美子、市毛良枝) 既に死んだ人間が 期間限定でこの世に戻ってくる という、小説や映画では割とよくあるモ…

ポルトガルの巨匠 マノエル・ド・オリヴェイラ監督のデビューにして傑作 "Aniki-bóbó"

これは傑作ですね。 オリヴェイラ監督の長編第一作(1942年) 舞台は監督の故郷でもある 港町ポルト 既にロケーションからして絵になるシーンのお墨付き。 お話は一人の美しい少女を巡っての 小さな恋の鞘当て合戦。 女の子役の Fernanda Matos は 可愛…

スタイリッシュなモノクロ映像による、ポーランド産近未来SF映画 "TENDER SPOT"

あまり知られている作品ではありませんが これは拾い物。 1980年のポーランド映画で 監督は Piotr Andrejew 2019年に60歳で亡くなっていますが 長編映画は5本程度と それほど多くは残していません。 時は1998年 テレビ修理工の Marek Barbasi…

ヒット曲をすべて外した GARO のパーソナルベスト12

一人で行くさ 作詞:日高富明/作曲:日高富明/編曲:GARO たんぽぽ 作詞:大野真澄/作曲:堀内護/編曲:GARO 水色の世界 作詞:堀内護/作曲:堀内護/編曲:東海林修 小さな恋 作詞:日高富明/作曲:日高富明/編曲:GARO 地球はメリー・ゴーランド 作…

これだけのメンツが揃って駄目な時もあるのね・・・ ”ジブラルタルの追想”

トニー・リチャードソン監督の1967年製作。 原作がマルグリット・デュラスで 主演がジャンヌ・モロー この組み合わせは前年に公開されて 高評価を受けた ”マドモアゼル” と同じなんですね。 なので期待が高まるわけですね。 オープニングタイトルも凝っ…

芦川いづみ&劇団民藝創立メンバーの小品 ”いのちの朝”

宇野重吉が頑固で一本気な画家 芦川いづみが父親想いの娘に扮する 70分弱の小品です。 (1961年公開) 宇野は腕は確かなのですが 世間で受けるような派手な作品を嫌い 風景や静物画ばかりを描いています。 一般的な知名度はほぼゼロ。 芦川は自分がモ…

”大理石&鉄の男” 2つあわせて5時間強、気合を入れて鑑賞しよう

アンジェイ・ワイダ監督の有名作ですね。 両作品はまさに正続編の繋がりになっていて 一大叙事詩の趣があります。 ワルシャワの放送局勤務のクリスティナ・ヤンダ 1950年代に「模範的な労働者」としてもてはやされた イエジー・ラジヴィオヴィッチの記録…

それは尋問というより拷問・・・カンヌで高評価の "INTERROGATION"

1951年のポーランド キャバレー歌手のクリスティナ・ヤンダは夫と口論、 気分がむしゃくしゃしたこともあって 酒場で見知らぬ男たちと飲み明かし すっかり泥酔してしまいます。 頬を激しく叩かれて 目覚めると なんとそこは留置場 何故捕まったのか まっ…

映像&音楽センスがあまりに抜群~アンジェイ・ワイダの ”夜の終わりに”

アンジェイ・ワイダ監督の 長編4作目(1960年) あまり取り上げられる作品ではないですけど 実に、本当に、圧倒的に 素晴らしい映画ですね。 もうオープニングの入り方からして 唖然とするセンスの良さ。 クシシュトフ・コメダの音楽がこれまた最高で。…