バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

書籍

ニヤリ ホロリ しんみり・・・三人の名手による短編小説競演

重厚な長編からライトな短編まで 幅広い作風の著者による クスッと笑ってしまう 家~家庭をテーマにした作品集。 突然のリストラから主夫生活となった主人公 思いの外、家事は苦ではなく 「ここが青山」 妻が家出、残された夫は独身時代の感覚に戻り マンシ…

情念という名の魔界~東電OL殺人事件から23年

有名大学を卒業し 一流企業の総合職として働く女性が 渋谷のアパートで遺体となって発見された事件。 当時(1997年)、あらゆるメディアで センセーショナルな報道合戦が展開されました。 (女性には別の”夜の顔”があったのです) 関連書籍は実に多数出…

被写体とのディスタンスは零センチ 荒木経惟~アラーキーの世界

1970年代、”いけない”雑誌って結構ありましてね。 もう今なら即アウトの内容てんこ盛り。 こっそり隠れて買ってましたよ。 「写真時代」とか「ウィークエンドスーパー」 アラーキーの作品もよく掲載されてました。 アジアの闇を歩く、なんていう特集があ…

すれ違いと思い違いの花束 桐野夏生の珠玉の短編15編

1994年から98年にかけて発表された 作品を収録した2冊の短編集。 この時期には作者の代表作である 長編の「OUT」も執筆されています。 映画&TVドラマ化もされましたので、よく知られていますね。 まさに脂ののっている時期だったのでしょう。 www.yo…

毎週サンデー買って、引き裂いて保存した~楳図かずおの”漂流教室”

楳図かずおの代表作の一つ ”漂流教室” 連載が1972年~74年。 当時は小学生だったんですが、毎週毎週 もう待ち遠しくて 貪るように読んでましたね。 その頃のサンデーは おれは直角(小山ゆう) ダメおやじ(古谷三敏) 男どアホウ甲子園(水島新司) …

児玉清とじゃがいもにアタック!

蔵書2万冊 海外旅行に行く際には手荷物の中に洋書が入っているだけ など、無類の本好きで知られた俳優の児玉清。 ご本人も軽妙なエッセーを何冊も書かれています。 そのなかの一節、 ”いくら食べても飽きることがない素朴で淡白な味は僕にとって最高の美味…

昭和の巨匠、松本清張の ”推理モノではない” 短編いろいろ

あまりにも有名な文壇の巨匠 松本清張。 頻繁に映画やテレビドラマ化もされましたから 亡くなって随分経ちますが 若い世代の方にも比較的名が通っているかもしれません。 おそらくは、”点と線”や ”砂の器”などの 推理小説の大家としての評価が高いかと思うの…

みんな事情があるから、一緒に生きる  "I AM SAM"と"ギルバート・グレイプ"

"I AM SAM"(2001年) "WHAT'S EATING GILBERT GRAPE"(1993年) この2本には”事情”をもった人物が登場します。 通常は障害~障がい という言葉を用いるのかもしれませんが 私は事情、という言い方がしっくりくるんですね、 あくまで自分が自分に対…

”覚えていない”迷宮世界 桐野夏生の「柔らかな頬」

精力的に作品を発表している 桐野夏生の1999年著作。 これは渾身、超絶の一冊で ”棺桶に入れる書籍”の筆頭ですね。 メインのテーマは幼女失踪事件で 母親と家族、母親の不倫相手、元刑事など 様々な人物が登場し、 それぞれの視点で事件が再現~ 語られ…

タルコフスキー vs KUROSAWA 映像美の極致に浸る

映画の魅力って色々と挙げることができると思います。 よく練られた脚本、豪華スター共演、最新のCGやSFX技術・・・ では ”映像美” というキーワードで思い浮かぶ作品はというと その筆頭のひとつはこちらかと。 www.youtube.com 言わずと知れた黒澤明の”乱”…

実際の冤罪事件を題材にした今井正監督の真骨頂 "真昼の暗黒"

”青い山脈” ”また逢う日まで” ”ひめゆりの塔” “キクとイサム” など日本映画史に残る作品を多数製作した 巨匠、今井正監督の力作(1956年) 脚本は ”七人の侍” ”白い巨塔” ”砂の器” を手掛けた これまた第一人者の橋本忍。 老夫婦が殺され、犯人の青年は…

奇妙な、そして背筋の凍る世界へようこそ~名手による短編小説の数々

ニヤリ、あるいは抱腹絶倒系の短編も多い 中島らもの著作のなかでも ホラー色全開の1冊。 プロローグ、エピローグとして 掌編が置かれており 緻密に構成されています。 旅人がたどり着いた絶海の小島は 平和な時が流れるパラダイス、のはずだったのだが 「…

GONE WITH THE CORONA...EVERYWHERE

近所のパブレストラン、 今回のコロナ禍の影響でしょう。 かなりの大型店だったのですが 随分以前にクローズ。 街を歩いていてもシャッターが降りたままの 店舗が目につきます。 日本でも飲食店の苦境が伝えられていますが、 数か月前 ”老舗ビアレストランの…

歴代日本映画の名女優への名インタビュー~川本三郎

映画評論家の重鎮であり、 多数の著作をもつ川本三郎の1冊。 1990年代に雑誌連載されていた 女優さんへのインタビューをまとめたものです。 今では半分くらいの方が亡くなられていますね・・・ 川本氏自身がこれらの女優さんの大ファンであり、 またそ…

その扉の向こうには何があった・・・祠の奥のタイ版トマソン

バンコクのとある繁華街の祠(ほこら) その奥の通路の先に扉らしきものが見えるのですが、 うーん、何があるのでしょう。 あんまり詮索しないほうが良さそうですね。 タイには色々な”スポット”があるのですが ここもその一つかもしれないし。 隣は墓地だし…

脳に、ハートにガツンガツン~マイベスト外国小説「ロードワーク」by STEPHEN KING

有名なスティーヴン・キングの1981年作、 ”キャリー”の発表が1974年ですから、かなり初期の作品。 タイトルは「道路工事」 クリーニング工場に勤める主人公、 高速道路の建設により自宅は立ち退き 勤め先の工場が移転となる状況を迎えています。 と…

ヘロヘロだけどニコニコ~優しい酒呑みの本

こちらは「酒とつまみ」という雑誌の編集をしていた方の 単行本。 内容はズバリ、飲んで飲んで飲み続ける日常を 淡々と書き綴ったもの。 量的にも頻度的にも ”身体、大丈夫ですか?” のレベルです。 しかしご本人のお人柄か、 訪れる様々な店のマスター、大…

やまだ紫、つげ義春・・・バンコクの古本屋は本日も在庫良好なり

またまた夢遊病者のように 吸い寄せられて 外出ついでに日本語書籍の古本屋さんへ。 2009年に60歳で亡くなった やまだ紫の代表作。 画力も凄いのですが、この人は言葉の紡ぎ手でもありますね。 ご自身の私生活がベースになっているようですが 主人公の…

ウイルスの馬鹿野郎! で、俺たち人間はどうなんだ・・・

なにやら物騒なタイトルが付いていますが バンコクの古本屋で買った書籍、 ちなみに発行年は1995年です。 ウイルス、細菌、寄生虫と 三つのパートに分けて 私たち人類にとって忌まわしく、そして恐ろしい 症例について記載されています。 四半世紀前の書…

手塚治虫が70歳、80歳を迎えていたら・・・

私には同時代の手塚治虫体験が ほぼありません。 1989年に亡くなられていますので、 戦後間もない頃の作品群は別としても 1970年代の人気作品 「ブラックジャック」や 大作「アドルフに告ぐ」、 未完に終わった「グリンゴ」 などには、いくらでも”夢…

本・レコード・CD~形あるものへの想い

自分より若い世代の人たちと話していると (まあ、ほぼ皆年下なんですが) ”物を持っていない人”、多いんですよね。 例えば、本とかCDの類 持っていないどころか読まない、聞かない ということも珍しくない。 逆に、「はあ~、よくこんなに集めましたねえ、 …

たかが&されど、バナナに込めた思い

先日、タイの知人から バナナを貰いまして。 小ぶりで甘さもほどほど、食べやすい。 普段自分ではおよそ買うことがないのですが、 バナナ、バナナ・・・ と頭のなかで思い巡らすうちに 水木しげるの漫画を引っ張り出しました。 氏は太平洋戦争での従軍経験が…

鳥と魚の不思議な物語~諸星大二郎

敬愛する諸星大二郎の2冊 数年間のインターバルで刊行されていますが 装丁も丁寧にデザインされています。 まさに二冊で一組。 それぞれ6~7編が収められていますが あらすじを書くのは不可能、ですね。 文字には置き換えられません。 実在のものに加えて…

秘密の入り口と出口のない部屋  楳図かずお&手塚眞

なんとも形容し難い奇妙な味わいをもった 作品世界、今日は短編集の漫画と小説を。 ”螺旋階段” 大学の卒業間際にひょんなことからテレビ出演をした女性、その瞬間が忘れられずに その後の彼女の人生はねじ曲がっていくのですが・・・ ”ロウソク” 自分に愛情…

間違いの多い?音楽雑誌やライナーノーツ

音楽、好きなものですから 関連の書籍や雑誌 読むときがあります。 ミュージシャンの伝記とか読み応え あるのありますしね。 あと洋楽のアルバム買うと 日本語の解説(ライナーノーツ)とか付いてるんで 聴きながら、目を通したり。 で、たまにですが ドカー…

TOKYO & ATLANTA オリンピックを巡る2つの物語

昨日に続いてオリンピックのトピックで。 奥田英朗の「オリンピックの身代金」は 東大の大学院生がオリンピック(1964年の東京大会)の開会式で 爆弾テロを目論むというストーリー。 組織的なものでなく単独での計画です。 (相棒らしき存在もあることは…

打ちのめされるような本への愛情

世に書評、読書日記というものは多数あると思いますが 大森望&豊崎由美コンビのシリーズは捧腹絶倒です。 多分、ここまで実名&実作品を挙げて ”こき下ろし”まくったのは、他に例が無いのでは。 それもご両人の圧倒的な読書量と 書籍への愛情に裏打ちされて…

自分を”高めない”読書を続けて50年・・・

え~ 世に”自己啓発本”という類のものがあるそうです。 私は今までに1冊たりとも読んだことがありません。 なので、実際どういうものなのか良く分かりませんが 想像するに 「〇〇すれば明日からあなたの人生が◇◇になる!」 「××になるための超△△思考法」 と…

バンコクの古本屋 本日の成果

さて、気がつくと ふと足を向けてしまうバンコクの古本屋さん 日用品の買い物をした後だったので 結構すでに荷物が重いんですが・・・ アイリッシュの「裏窓」、 こちらはヒッチコックの映画版のほうが良いかも。 youtu.be うん、これはもう読んだかな? で…

フレッド・アステアの華麗なダンスを堪能しながら2019年が暮れていく

フレッド・アステア(1899-1987) 勿論、あの有名なハリウッドのミュージカルスターなわけですが。 自伝を読むと、これまた凄いですよ。 練習、練習、練習の鬼。 いや、もう充分パーフェクトなんですが、 さあ、もっとやってみよう もう一度試して…