バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

書籍

LOVE AND FEAR IN AN ELEVATOR

エレベーターをモチーフにした映画って 無数にありそうですよね。 ある種の密室空間ですから 様々なシチュエーションに使えそう。 ”死刑台のエレベーター” "SUDDENLY,LAST SUMMER" ”アパートの鍵貸します” ”アウトレイジ ビヨンド” 「エレベーターの登場する…

今日はブギ・ウギ・ウギ

先月までNHKで 笠置シヅ子をモデルにしたドラマが放映されていて 人気があったんですって? 私はここ20数年間、一切テレビ番組は見ていないので 中味はとんと分かりませんが 演じたのは水谷豊と伊藤蘭夫婦の娘さんとか。 でしたら、さぞかし素敵な演技をさ…

60代~80代のベテラン俳優4人が主役 ”午後の遺言状”

新藤兼人監督の1995年公開作。 非常に評価の高い作品で その年のキネマ旬報で 日本映画第一位を獲得しています。 杉村春子、乙羽信子、朝霧鏡子、観世栄夫といった シニア勢が主役。 特に杉村春子はセリフの数がかなり多く 全篇出ずっぱりです。 (対し…

八十年前の日本のシングルファーザー奮闘記 ”父ありき”

小津監督の1942年度作品。 小津映画の常連、笠智衆の初主演作でもあります。 (女優さんはほぼ登場しません) 監督にもその演技を褒められ 世間の評判も良く(キネマ旬報第二位) 笠にとっては想い出深い作品なのでしょう。 いくつかある自叙伝で 頁を割…

絵から抜け出た女性があなたを襲う! ”殺人回路”&”こわい絵”

昭和の名優 平田昭彦をゲストに迎えた 円谷プロ制作のテレビドラマ 「怪奇大作戦」第二十話の ”殺人回路” 壁にかかった絵画に描かれている女性が実体化して 弓矢で人を襲います。 優しく微笑んでいるので 怖いというより幻想的なイメージですね。 (怪談の類…

「何を甘ったれたこと言ってるんですか」 植木等、天皇黒澤を大いに叱る

黒澤明監督の ”乱” (1985年) シェークスピアの ”リア王” がベースとなったストーリーと 視覚的なスケールの大きさで 海外から特に評価の高い作品ですね。 主演の仲代達矢も貫禄の演技 仲代の息子たちに 寺尾聰、根津甚八、隆大介 結局 本当に親を慕っ…

グルメと非グルメの分水嶺

グルメ~食通、美食家の人って かなり居ますよね。 日本は食の水準が高いですからね 一億総美味しんぼ みたいなところもあったりして。 ”グルメの条件” って あると思うんですよ。 まずね、調べると。 情報収集。 凄い数の選択肢から絞り込む。 ここでもう脱…

70年代洋楽ヒットチャートの雄、ERIC CARMEN逝く

びっくりしましたね。 エリック・カルメンが亡くなったと。 60年代からバンド活動をしていた人ですが なんといっても70年代に華やかな足跡を残しましたね。 前半はラズベリーズというグループを組んで 4枚のアルバムを発表。 "I WANNA BE WITH YOU" (19…

いちばん最初の PIZZICATO 1984~1987

ピチカート・ファイブの歴代ボーカルのなかでは なんといっても野宮真貴の存在感が圧倒的ですが 初代ボーカリストの 佐々木麻美子が在籍していた期間も 素敵なんですよね。 "Action Painting" PIZZICATO V www.youtube.com 決して声量があるわけではないです…

「名作」 ≠ 「お気に入り」 それがまた奥深い映画の世界

別に映画に限りませんが ベストもの、ランキング系ってよく目にしますよね。 見るべき外国映画100本とか 評論家の選ぶ今世紀最高の映画リスト などなど。 で、俗にいう名作~マスターピースって 割と同じ顔触れが並ぶんですね。 指定席みたくなったりして…

「恐怖の駅伝」・・・日本ホラー漫画の金字塔 ”神の左手 悪魔の右手”

楳図かずおのこの作品は もう圧倒的な傑作なんですよね。 ひたすらホラー街道まっしぐらです。 ”わたしは真悟” ”イアラ” ”14歳” など 色々な文脈で語られる他作品と比して もうズバリ、徹頭徹尾 テーマは「恐怖」なんですね。 全5話からなる連作なんです…

SENTIMENTAL OR NOT~強迫観念の旅

(昨日の続き) 旅に明け暮れた20代を過ぎて その後もしかし 機会を見つけては 海外に行ってたんですね。 でも その中身というか動機が どんどん変節していくんですよ。 以前は旅行そのものが目的だったんですけど、 それが 「旅へ行くこと」 に置き換わっ…

JOURNEY THROUGH THE PAST~自由旅行の日々

20代の頃 1980年代のことですが 旅にハマってましてね。 それまで個人では難しかった 海外旅行の敷居が低くなったんですよ。 航空券のばら売りが始まって。 でね、リュックサック担いで バックパック旅行の始まりですわ。 長い時だと 半年以上、海外を…

MASAKA OSAKA

いや~ 大阪の万博 人、いっぱい居ましたよ といっても1970年の話なんですけどね。 全線開通間もない東名高速使って 見に行ったんですよ。 最大の売り物が確か アメリカ館の月の石、だったかな。 凄い行列だったよなあ。 またやるんですって? なんか国…

これは失礼

非常に有名な 芸人さん~笑いの世界の頂点とも言われている 男の人について色々と報道されてるようで。 私は四半世紀くらいになるかな まったくテレビは観ていないので この人(コンビ)の現在の出演番組については およそ知識がありません。 どういうわけか…

日本軍が恋のキューピッド?南太平洋が舞台の "FATHER GOOSE"

太平洋戦争下、南太平洋諸島で 気ままに暮らすアメリカ人の 元教員ケーリー・グラント オーストラリア海軍のトレヴァー・ハワードから 「戦局は厳しさを増している。君も我々に協力せんかい」 ということで、離れ小島での監視業務を命じられます。 相棒のガ…

真面目で内気な男が悪女に出逢ってボロボロに・・・フィルムノワールの教科書 ”スカーレット・ストリート”

1930年代中頃のニューヨーク、 エドワード・G・ロビンソンは勤続25年の 朴訥な経理マン。 家では妻の尻に敷かれっぱなしで 頭が上がりません。 そんな彼の唯一の趣味は絵を描くこと。 アパート暮らしなので浴室がアトリエ代わり。 ある晩ロビンソンは…

「私の最低作!」大女優おおいに嘆く~精神病棟が舞台の ”残虐療法”

この女優さんは誰でしょう? いやいや 脇役のその他大勢とかではなくて かのローレン・バコールさんですよ。 んなバカな。 あのハンフリー・ボガートの奥さんでもあった アメリカ有数の大女優とは思えない・・・ まあともかく中味を見ていきましょう。 カリ…

見た目超そっくり、性格真逆の双子姉妹クライムムービー "DARK MIRROR"

おっ、面白い構図ですよね。 ”暗い鏡” という作品で あまり知られていませんけれど これは今観ても楽しめるお勧めの一本。 (1946年公開) 殺人事件が起きるんですね。 で、一人の女性が怪しいと。 しかし鉄壁のアリバイがあるわけです。 なんとですね、…

合計1000頁超!~驚異の記憶力で辿るJAZZの黄金時代 by ビル・クロウ

いやあ、正直 読むのに時間を要しました。 (飛ばしたところもあります。済みません、著者&訳者のお二人・・・) ビル・クロウというベーシストが 主に1950年代のアメリカ東海岸の JAZZシーンを活き活きと描写した 力作であります。 この人自身は前面に…

「ウヒヒ、君をミニチュアサイズの人形にしてあげよう」~"ATTACK OF THE PUPPET PEOPLE"

オープニングのタイトルバック この手のB~C級映画が好きな人なら 大喜びのデザインであります。 とある人形工房のショールームに 子供たちが見学にやってきます。 「この筒の中に入ってる人形さんに触っていい?」 店の主人(ジョン・ホイト)から 手を触れ…

田中?山田?溝口?衣笠?~そんなもんじゃないのよ、私須磨子と島村の恋は

今でいうマルチタレントの先駆け 松井須磨子(1886~1919年)と 劇作家、演出家の島村抱月(1871~1918年)の 短くもドラマチックな一生は よく知られているところ。 後年、 数々の映像作品や舞台、書籍で取り上げられていますが 極めつけが…

THE DAYS OF DANCE AND ROSES~PART TWO

ミュージカル映画で活躍した 麗しの女性ダンサーを引き続き。 "Palace Kitchen Ballet" (1955) Leslie Caron www.youtube.com フランス出身のレスリー・キャロン “ガラスの靴” のワンシーンですが 10代の頃にバレエ団に所属していただけあって 流石のテク…

THE DAYS OF DANCE AND ROSES~PART ONE

今日と明日の2回、 往年のミュージカル映画で 魅惑的な踊りを披露してくれた 麗しの女性ダンサーを10人 取り上げてみることにしてみましょう。 "Fascinatin' Rhythm (1941) Eleanor Powell www.youtube.com ガーシュウィンの ”魅惑のリズム” を 軽快に踊…

西から東 右へ左へ

右とか左とか よく言いますよねえ 意志と信念と脳細胞が 三位一体となって欠乏している自分からすると なんか申し訳ないというか 生きててどうもスンマセン みたいな気がしちゃうんですよねえ どっちに向かうにしても うーん、どちらがいいとか悪いではなく…

巨匠黒澤の異色スピンオフ ”どですかでん” 監督の言いたかったことって実は・・・

1970年製作の ”どですかでん” 黒澤明監督の初カラー作品ですが 興行的には失敗。 評価のほうも一般的にはあまりよろしくなく、 ちょっと風変わりな出来映え との捉え方がされていますね。 原作が山本周五郎の ”季節のない街” 文庫本で400頁を超える …

60代で逝った名優二人 萩原健一&根津甚八

ある程度の年齢の方で ショーケン~萩原健一 のことをまったく知らない 聞いたことも見たこともない そんな人は皆無でしょう。 テンプターズやPYG、ソロでの音楽活動 数々の映画やテレビで発揮された 圧倒的な存在感は唯一無二のものでした。 ”ショーケン”(…

空想二次元グルメ

過去~現在にわたって 全くもってグルメとは縁遠い 食生活の自分ですが その手の本を読むのは 結構好きだったりします。 バンコクの古本屋で見つけた 「池波正太郎の食卓」 池波の書生を務めた著者が ”てんぷら近藤” ”たいめいけん” の店主とともに 池波ゆか…

用事が無くても会う日本人の知り合いは誰も居ない

私もそこそこ タイでの暮らしが長くなりましたが 日本人の知り合い~在タイで付き合いのある人 はゼロですね。 誰も居ません。 なにか用件、用事がある場合は別ですよ。 でもそれはその時々のことであって 継続性のあるものではない。 理由は話題~トピック …

師には変わらぬ尊敬を、妻には永遠の愛を・・・

100歳で世を去る直前まで 精力的に映画製作を続けた 新藤兼人監督。 徴兵、撮影所の下積みの後 39歳での初監督作品が ”愛妻物語” (1951年) 監督自身の半生をベースにした 自書伝的内容で 宇野重吉が夫(新藤) 乙羽信子が妻を演じます。 新藤監督…