バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

日本軍が恋のキューピッド?南太平洋が舞台の "FATHER GOOSE"

 

太平洋戦争下、南太平洋諸島で

気ままに暮らすアメリカ人の

元教員ケーリー・グラント

 

オーストラリア海軍のトレヴァー・ハワードから

「戦局は厳しさを増している。君も我々に協力せんかい」

ということで、離れ小島での監視業務を命じられます。

 

 

相棒のガチョウ~GOOSEを連れて

渋々島へやってきたグラントでしたが

 

 

日本軍の攻撃から避難してきた

フランス領事の娘レスリー・キャロンに加え

彼女が面倒を見ていた7人の少女たちと

共同生活を送る羽目に。

 

 

真面目で堅物のキャロンと

昼間から酒を飲んで服装もだらしないグラントは

馬が合いません。

(無線の内容をわざとフランス語で伝えるキャロン、英語で話してくれよと懇願するグラント。レスリー・キャロンはフランス出身なので役柄にピッタリ))

 

(言う事を聞くから酒をくれと子供と交渉するグラント)

 

 

直接の戦闘描写はほとんど無いのですが

遠くに日本兵士がチラリと映るシーン。

(ちゃんと日本語を話しています)

 

 

子供たちにからかわれながらも

根は実直なグラントに

キャロンは徐々に惹かれていき

 

 

二人は子供たちに祝福されなかがら

結婚式を挙げたのでした・・・

 

ケーリー・グラントは撮影時

60代になろうとしていましたが

動きや表情は若々しく

老いを感じさせません。

 

 

往年のミュージカル映画

”巴里のアメリカ人” や ”リリー”

に出演していた頃を彷彿とさせる

キャロンの身体の柔らかさも健在。

 

 

グラントと本部の人間たちとの

無線のやり取りがコミカルで

これは戦前のグラント主演のスクリューボール・コメディ

ヒズ・ガール・フライデー”(1940年)

へのオマージュですね。

 

 

七人の少女には

特に子役を起用したということではなく

一般の子供たちが扮しているのですが

皆、好演です。

 

あまり知られていませんし

評価も高くないようですが

(監督/ラルフ・ネルソン 1964年製作)

個人的には好きな作品ですね。

 

ちなみに邦題が

”がちょうのおやじ”

・・・

まあ、直訳しちゃうとそうかもですが

それじゃあ

お客さん入りませんよね。

(グラントの相棒は最初のうちはがちょうで、それが子供に取って代わった。どちらもガーガーとやかましい~そんなニュアンスでしょ、英語のタイトルは)

 

”南の島のパパとママ”

あたりにしたら

どうでしょうかね。

 

"FATHER GOOSE"   Trailer

www.youtube.com

 

戦時下の南太平洋が舞台ということですと

水木しげるの一連のシリーズが有名ですね。

氏の実際の従軍体験がベースになっているのですが

それこそ映画化に向いている作品が多数。

いずれも必読ものです。

映画と併せてご一読を。

 

「敗走記」水木しげる講談社文庫