バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ウェルメイド!ミュージカル映画の隠れた傑作 "EVER GREEN"

ミュージカル映画というと どうしてもハリウッドで作られた諸作品を 連想しますけれど こちらは1934年のイギリス産 (監督/ビクター・サヴィル) 時は1909年 押しも押されぬ舞台の大スター(ジェシー・マシューズ)が 引退。 最後のステージも大盛…

夫の無理解、父親からの抑圧をじっくり炙り出す傑作ドラマ "SHE'S BEEN AWAY"

TV

これは素晴らしい作品。 1989年の英国テレビドラマ (監督/ピーター・ホール) ですが、その年のヴェネチア映画祭で 主演の二人が揃って女優賞を獲得しています。 裕福なビジネスマン(ジェームズ・フォックス)と 妻(ジェラルディン・ジェームズ)が …

すべてがOKカット、圧倒的な構成美の ”都会の女”

ドイツ出身の名匠 F・W・ムルナウのアメリカ製作作品(1930年) これはもう匠の技がまざまざと発揮された一本ですね。 無駄なカットがひとつもありません。 あらゆるショットがこれ以上ないほどのアングルで 撮影されていて。 洋画でいえばベルイマンの …

地中海クルーズの豪華客船で取り戻す家族の絆 ”5人のテーブル”

カリフォルニア在住の ジョン・ヴォイト、妻とは5年前に離婚しています。 妻は3人の子供を引き取って 裕福な弁護士のリチャード・クレンナと再婚、 家族でニューヨーク暮らし。 年に一回、ヴォイトは子供たちに会いに来るのですが 一念発起して豪華客船の…

HAPPY BIRTHDAY GEORGE ! ジョージ・ハリスンのお気に入り10曲

今日2月25日は ジョージ・ハリスンの誕生日 (亡くなってからもう二十年以上経つんですね) 私なんぞはとても大ファンといえるような 資格は無いんですが、 優しきビートルを偲んで フェイバリットのナンバーを リリース順に。 "I'D HAVE YOU ANYTIME" "L…

ケーリー・グラント&ドリス・デイの都会派ラブコメ映画 ”ミンクの手ざわり”

ベタですが洒落ている 楽しい楽しい1時間40分ですね。 (監督/デルバート・マン 1962年製作) 実業界のタイクーン ケーリー・グラントは 国連でスピーチしちゃうほどの 超有名人。 あまりに口が上手いので (当時の)ソ連代表もパチパチ グラントの…

まだまだ続くよ WHO DO WE THINK WE ARE ?

リリアン・ギッシュ(女優・米) もえのあずき(タレント/フードファイター) ジョニ・ミッチェル(ミュージシャン・米) リッキー・リー・ジョーンズ(ミュージシャン・米) アビー・リンカーン(ジャズボーカリスト・米) 杉村春子(女優) 新井康弘(俳…

ピクニック気分にはならず・・・名作の誉れ高い "PICNIC"

ジョシュア・ローガン監督の 1955年作品。 これは非常に有名な映画ですね。 アカデミー賞も多くの部門で 受賞&ノミネート。 キネマ旬報のベスト10でも その年の第三位にランクされています。 しかし私は のれなかったんですよね~ 正直。 お話は超シ…

下降または上昇

"WHERE ARE YOU TONIGHT ?" BOB DYLAN www.youtube.com

「パパ、私のお芝居どう?」チャップリンの長女ジェラルディンの力作 "悲しみは星影とともに”

かのチャーリー・チャップリンの長女 ジェラルディン・チャップリン主演の 1966年作品(監督/ネロ・リージ イタリア&ユーゴスラビア製作) ナチスドイツ占領下のユーゴスラビアで暮らす ジェラルディン、 母は既に死亡 父親は収容所送りになっています…

UP,UP AND AWAY

Would you like to ride in my beautiful balloon?Would you like to ride in my beautiful balloon?We could float among the stars together, you and IFor we can fly Up, up and awayMy beautiful, my beautiful balloon 私の気球にあなたも乗ってみない…

悪い種子から咲いた新しい毒花~”THE BAD SEED” のリメイク2篇

TV

2018年に制作されたテレビドラマで 主演(兼監督)がロブ・ロウ。 「嫌な娘」に扮するのはマッケナ・グレイスです。 1956年のオリジナル版が 母娘の関係性を軸にしていたのに対し 今回はロウがシングルファーザーという設定。 パティ・マコーマック…

元祖、なんて嫌な娘なんでしょう・・・"THE BAD SEED~悪い種子(たね)”

これはちょっときてますね。 結構ヤバいです。 1956年製作の古い映画なんですが 公開当時は相当にショッキングだったんではないでしょうか。 (監督/マーヴィン・ルロイ) パティ・マコーマックは8歳の可愛い女の子。 優しいパパとママのもとで すくす…

「名作」 ≠ 「お気に入り」 それがまた奥深い映画の世界

別に映画に限りませんが ベストもの、ランキング系ってよく目にしますよね。 見るべき外国映画100本とか 評論家の選ぶ今世紀最高の映画リスト などなど。 で、俗にいう名作~マスターピースって 割と同じ顔触れが並ぶんですね。 指定席みたくなったりして…

日本よりも栄養のバランスが良い? タイの普段飯の具材あれこれ

私は普段、100%外食またはテイクアウトの食生活なんですが それらの材料~原料を見てみようかと。 普段はまったく意識してないんですけれどね。 あくまで大雑把です。 タイ料理全般でよく使われる唐辛子や香草類は 省略ということで。 個々の料理名も無…

「恐怖の駅伝」・・・日本ホラー漫画の金字塔 ”神の左手 悪魔の右手”

楳図かずおのこの作品は もう圧倒的な傑作なんですよね。 ひたすらホラー街道まっしぐらです。 ”わたしは真悟” ”イアラ” ”14歳” など 色々な文脈で語られる他作品と比して もうズバリ、徹頭徹尾 テーマは「恐怖」なんですね。 全5話からなる連作なんです…

幕の内弁当を2個食べたような満腹感のミュージカル映画 "TILL THE CLOUDS ROLL BY"

これは観た後 お腹(頭)いっぱいになりますね。 1946年のミュージカル映画(監督/リチャード・ウォーフ) 構成が2本立てになっていて ドラマパートは アメリカの著名な作曲家ジェローム・カーンの 半生記なんですね。 演ずるはロバート・ウォーカー。…

皮肉屋は嫌いかい? ランディ・ニューマンの諧謔世界

1978年に全米チャート2位まで上昇した ランディ・ニューマンの ”ショート・ピープル” 可愛らしくて覚えやすい曲なんですが 歌詞はかなり とんでもないことになっています。 Short people got no reasonTo liveThey got little handsAnd little eyesAnd …

メタファー盛りまくり、キャサリン・ヘプバーン&エリザベス・テイラーの "SUDDENLY,LAST SUMMER"

青年医師のモンゴメリー・クリフト 勤め先の病院に多額の寄付を望めそうな未亡人 キャサリン・ヘプバーンの屋敷を訪ねます。 一人乗りのエレベーターでヘプバーン登場。 な、なんだ このおばさんは ヤバい感じ・・・ ヘプバーンはただひたすらに 亡くなった…

外国人にはちょっと厳しいか・・・映画界永遠のマスターピース ”イヴの総て”

映画には何本か 絶対的名作~「観てから死ね」レベルの 評価が定まった作品がありますが この "ALL ABOUT EVE" (監督/ジョセフ・L・マンキーウィッツ)は その代表的な一本ですね。 お話はシンプルで スターを夢見るアン・バクスターの 成り上がりシンデ…

不動のカルト映画のポジション確立 "顔のない眼"

これはサスペンス/ホラー系の作品としては ファンのあいだでよく知られていますね。 (仏・伊共同製作 監督/ジョルジュ・フランジュ) 物腰の落ち着いた婦人アリダ・ヴァリ 街中で若くて美しい娘に声を掛け 屋敷に招くのですが なんと屋敷の主ピエール・ブ…

蟻のままに言って蚊よ蠅よ、君たちを呼んではいない

タイは年中 色とりどりのフルーツを楽しめるんですが 食べた後が大変なんですよね。 虫が凄いんですよ。 食べ残しにあれよあれよと群がってくるんですね 蟻が。 共同住宅(アパート、マンション)の室内でも どこから出てきたんだよ? と神出鬼没。 まして戸…

地味で堅実・・・そんなミュージカル映画があってもいい ”虹の女王”

まあおよそ ミュージカル映画というものは 派手なものです。 歌って踊る場面がメインなわけですから。 この作品はそういう意味では 目立たないんですね。 勿論踊りのシーン、ちゃんと用意されていて 主人公のジューン・ヘイヴァーも 相当に上手いんですね。 …

人間を無害な家畜に・・・アイデアは良かったが結局はBクラスのSF映画 "THE BUBBLE"

小型飛行機が不時着するんですね。 メインの通りが一本あるだけの 小さな町が近くにあって 一安心と思いきや なんか住人の様子が変なんですね。 オウム返しで同じことしか言わないし ゼンマイ仕掛けの人形のような ぎこちない動作。 町自体も まるで朽ち果て…

内縁の妻に33歳で撃ち殺されたジャズメンの物語 ~ "I CALLED HIM MORGAN"

リー・モーガンといえば 十代の頃から ディジー・ガレスピー楽団や アート・ブレーキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズといった 人気グループに在籍し、 自分名義のリーダー作も多数のトランペット奏者。 同時に33歳の若さで 長年連れ添った女性から拳銃で…

酒飲みの200%自己弁護~酒好きと依存症の境目って?

昔の言い方だと中毒、今は依存症 アルコールはその状態に陥りやすい 最たる例。 その定義ってなんでしょうね? 摂取量だったり生活習慣について 色々言われているようですが なかなかラインをね 明確には引けないですよね。 大体、依存症はアルコールに関わ…

酒吞みの200%自己弁護~お前は化け物

日本の家族~身内に アルコールを嗜む人は誰も居ません。 私も体質的には受けつけないのですが 数十年間飲酒を続けています。 ですのでごくたまの帰国の際 食卓に酒類が置かれることは無く。 困るのは外食時。 酒飲みからするとどう考えても 酒のつまみとし…

戦時下のマレー半島が舞台 ~ ”アリスのような町”

1942年、太平洋戦争下のクアラルンプールで イギリス人のグループが 日本軍の捕虜に。 成人男子はトラックで連れ去られたのですが 残された女性や子供たちは 徒歩での移動を命じられます。 しかし行く先々で 受け入れを拒否され 体調を崩す者が続出。 満…

SENTIMENTAL OR NOT~強迫観念の旅

(昨日の続き) 旅に明け暮れた20代を過ぎて その後もしかし 機会を見つけては 海外に行ってたんですね。 でも その中身というか動機が どんどん変節していくんですよ。 以前は旅行そのものが目的だったんですけど、 それが 「旅へ行くこと」 に置き換わっ…