リー・モーガンといえば
十代の頃から
ディジー・ガレスピー楽団や
アート・ブレーキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズといった
人気グループに在籍し、
自分名義のリーダー作も多数のトランペット奏者。
同時に33歳の若さで
長年連れ添った女性から拳銃で撃たれて死亡するという
ショッキングな最期を遂げたことでも知られています。
(1972年2月、演奏を行っていたライブハウスの休憩中に発生)
(お腹を前に突き出して猫背で吹く独特の奏法、ガレスピー譲りでしょうか)
2016年公開のドキュメンタリー映画
”私が殺したリー・モーガン”
(監督/カスパー・コリン)
は、モーガンを撃った内縁の妻ヘレンが
1996年に亡くなる直前の音声テープをもとに
生前に交流のあったミュージシャンや関係者の
インタビューで構成されています。
ヘレンはモーガンよりもかなり年上で
男女の関係であると同時に
庇護者~母親的な存在でもあったようです。
ドラッグ、アルコール、女性関係が
「派手」だったモーガンに理解を示しつつも
微妙な心の揺れがあったのでしょうね。
"I Called Him Morgan" Trailer
ヘビーな薬体験の後は
演奏にキレを欠いてしまうケースが多いのですが
1970年にカリフォルニアのジャズクラブで録音された
"LIVE AT THE LIGHTHOUSE" は
モーガン以下、バンドのメンバー全員が
素晴らしいプレイを繰り広げる好ライブ盤です。
"Speedball" Lee Morgan
意欲的なオリジナル作品も多数書いていて
存命であれば編曲面でも才能を発揮したことでしょう。
このライブで共演した他のメンバーは全員
80代~90代の長寿というのが
なんとも皮肉です。
R.I.P. LEE MORGAN (1938-1972)