バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ウェットにならない、ウェルメイドな戦前喜劇映画 ”奥様に知らすべからず”

1937年(昭和12年)のコメディ映画です。 非常に軽いタッチで、 お涙頂戴的なシーンがまったく出てきません。 洋画を観ているような気持ちになりますが 原作がアメリカの小説なんですね。 (映画の脚本も色々と手掛けているリチャード・コーネル作) …

日本とフランス メラメラ燃える二つの ”鬼火”

1956年、千葉泰樹監督の46分の小品。 ちょうど、一時間テレビドラマの正味の長さですね。 加東大介扮するガス料金の集金人 何カ月も支払いが溜まっている家へ取り立てに向かいます。 そこには生気のない一人の女(津島恵子)が。 「病気の夫が奥で臥せ…

仇討ちって、そんなにカッコいいものではありませんぜ・・・”荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻”

戦前から多くの作品を撮っている 森一生監督の1952年公開版。 時代劇でよく題材となる敵討ち~仇討ちのなかでも よく知られたストーリーで 何回も映画化されています。 冒頭、いきなり三船敏郎が いかにもの格好をして いかにものチャンバラを披露します…

地味に充実、バンコクの地下鉄モール

観光スポットやホテルが多く、 外国人がよく利用するBTS~スカイトレインに比べると イマイチ目立たないMRT~地下鉄路線。 地元の人の通勤路線というカラーが強いでしょうか。 そんなアンダーグラウンドなエリアで 最近地味に健闘しているのが METRO MALL~…

SF/ホラー/アクション~エンタメ要素がテンコ盛りの ”スキャナーズ”

熱心なファンが多い デヴィッド・クローネンバーグ監督の ”スキャナーズ”(1981年) これはもう定番映画ですよね、殿堂入りの一本。 まずはカメラ撮影、かっこいいんです。 スタイリッシュなんですね。 で、動きの多い場面があって 飽きないんですね。 …

復活の日はやってくるのか? タイ&アロマテラピーマッサージ

タイ観光の目玉のひとつ タイ(古式、フット、アロマ、フェイシャルなど諸々)マッサージ。 お好きな方も多いのでは? タイ旅行の際の楽しみのひとつですよね。 私も以前はよく行ったものです。 そう、コロナの前までは・・・ この3年近くは、業界的にまさ…

伝統のイギリス怪獣映画2本 ”海獣ビヒモス” "怪獣ゴルゴ”

今日はゴジラやガメラ、ウルトラシリーズなどを 先に見ていた まったくマニアではない人間(私)の 英国メイド&同じ監督(ユージン・ルーリー)による 懐かしき怪獣映画2本の鑑賞記ということで。 ”海獣ビヒモス”(1959年) オープニングはですね、期…

白い鍵盤、黒い鍵盤、白い指先

レニー・トリスターノ シカゴで生まれたジャズ・ピアニストですが 唯一無二の存在感があって ジャズ史を語る際の重要人物。 Line Up (1956) Lennie Tristano www.youtube.com 一聴しただけで むむ、只者では無いぞという 鮮烈な演奏ですね。 レニーは幼少時…

仲本工事~替えのきかない「第4」の男

”第5の男” 高木ブーの著作のタイトルです。 そうするとさしずめ 仲本工事は第4の男と言えるでしょうか。 なにはなくとも全員集合(1967年) 絶大な人気を誇っていたクレージーキャッツの映画と 入れ替わるような形で登場したのが ザ・ドリフターズの主…

五年間待て~帝王黒澤監督、キャリア後半の苦闘

言わずと知れた世界のKUROSAWA 黒澤明監督。 その製作ペースを見ていると 奇妙な事実にぶつかります。 デビュー作の ”姿三四郎”(1943年)から ”赤ひげ”(1965年)までは ほぼ1年に1作の安定した間隔。 ところがそれ以降は、 ”どですかでん” (1…

二人の市 勝新太郎と北野武

座頭市といえば 日本映画のキャラクターとしては ”男はつらいよ” の寅さん と並ぶ 二大キャラクターですね。 映画化第一作が1962年の ”座頭市物語” 名匠三隈研次の技が冴えまくる シリーズ全て(後に二十数本作られる)はもとより 日本映画史上に残る傑…

フードコート、惣菜持ち帰り・・・タイの普段飯は今時いくら?

世界を襲う物価高の波 タイもその例外ではないのですが ごく日常の食品メニューは今 どれくらい値上がりしてるんでしょう? ランダムに色々と見てみましょうか。 フードコートでの ぶっかけご飯~おかず2品 50~60バーツあたりですね。 (1バーツ≒4円…

体温を測られない日

あっ、つまらない写真なんですが 自分的にはかなり新鮮で。 ここ2年半以上、街に出ると ピー、ピー、ピー と体温チェックがマストだったんですね。 デパートやスーパー、コンビニ、オフィスビル 交通機関を利用する際 もう一日に何回 自分の体温表示を見た…

総合チャートの壁は厚いのだ・・・偉大なるソウルマン BOBBY WOMACK

ボビー・ウーマック(1944~2014) ソウルミュージックのファンなら誰でも知っている そうでない人からは知名度がグーッと低くなってしまう 典型的なミュージシャン。 この人はティーンエージャーの頃から 音楽活動を始めていて 1970年代にはほ…

人を驚かしたら、今度はあなたが驚かされる番ですよ~なかなかに秀作の英国心理サスペンス映画

フレディ・フランシス監督の1964年作品。 それほど有名な映画ではありませんが なかなか見応えのある内容に仕上がっています。 (この監督さんは、デイヴィッド・リンチの ”エレファント・マン” の撮影を担当したりしていて、アカデミー賞も2度受賞して…

ハープとJAZZの相性は?

ハープと聞くと 女性~それもひらひら系のロングドレスを着た 演奏者の姿を思い浮かべますが 今日は3人のJAZZ HARP WOMEN の演奏を。 There's a Small Hotel Dorothy Ashby www.youtube.com ドロシー・アシュビー(1932~1986) ピアノやベース、サ…

西村晃と春川ますみの絶妙な絡み!ウェルメイドな佳品 ”散歩する霊柩車”

これはいいですねえ。 日本映画では私的ベスト100入りですよ。 1964年の製作ですが 主演は西村晃と春川ますみの ”赤い殺意” コンビ。 渥美清が三番手、四番手あたりの配役ですが 霊柩車の運転手役というのが珍しいですね。 寅さんシリーズが始まる数…

ゴダイゴ~GODIEGOについての小さな思い出

先日、近所を歩いていて タイではよく出くわす光景なのですが 唐突に日本のベテランロックバンド GODIEGOのことが頭に浮かんできました。 1970年代の後半に 非常に人気のあったグループです。 当時全盛だった歌番組にも、積極的に出演していましたので …

カオソーイに関する、か細~い経験値

日本のラーメン屋さんかな? と思いましたが、そうではなく 北タイの名物料理 カオソーイの専門店ですね。 私はテキトーに タイのカレーうどん とか言ってしまいますが、 それは正確ではないですね。 味付けとか具材のバリエーションも豊富で なかなか奥深い…

1973~1976 日本のロックシーンの輝ける4年間

日本のロック~ポップスを もっともよく聴いていたのがこの時代。 名作目白押しの充実&黄金時代を ちょっと振り返ってみましょうか。 シュガー・ベイブの唯一のアルバムが発表されたのが 1975年春。 山下達郎のファーストソロが1976年末 大貫妙子の…

市場はごちゃごちゃのままでいいよ

ご近所の市場~マーケット 観光客向けのそれではなくて 地元密着の100%ローカルタイプ。 10数年にわたってお世話になっているのですが どうやら全面的に 化粧直しのようです。 うん、確かに 小綺麗になってますね。 でも なんかね、物足りないというか…

コーヒーをがぶ飲みしたから、点と線が繋がったのか?

昨日に続いて珈琲ネタを。 松本清張の ”点と線” (昭和32年に雑誌連載)は 膨大な数にのぼる著者の作品のなかでも 特に有名な一冊。 映画やテレビドラマ化もされています。 日本の推理小説の金字塔という評価が定着していますが、 その組み立てというかト…

コーヒーと干物

先月の一時帰国の際 コーヒー好きの方に豆を差し上げたのですが 奇しくもその方から頂いたもの。 以心伝心~微笑みならぬ 珈琲返しですね。 毎日、愛飲しています。 それにしてもバンコク、喫茶店~カフェの 増殖傾向が続いてますね。 ご近所にも次々と。 話…

ピチカート・ファイヴの隠れ佳作で聴ける素敵な女性ボーカルを「おしえて」

ピチカート・ファイヴのボーカルといえば なんといっても野宮真貴ですけれど、 こちらはメンバーが固定しなかった初期の作品 ”ベリッシマ”(1988年) この時代のリードボーカルは田島貴男(オリジナル・ラヴ) が担当しています。 ”惑星” www.youtube.co…

そのランキングはどうよ?ボブ・ディランの最高傑作とは・・・

ロック界の超大御所、ボブ・ディラン デビューアルバムが1962年発表なので キャリア60年! しかも途中で沈黙の期間というのがほぼ皆無 であるところがまた凄い。 2000年代以降も順調に新作をリリースしていますし。 さて、こちらは著名な音楽メデ…

誘拐だ!監禁だ!事実は小説よりもホラー・・・”その女アレックス”その他

フランスの作家、ピエール・ルメートルの 2011年作 ”その女アレックス” 原作の評価も高かったようですが、日本で人気爆発。 ミステリーのランキングもので軒並み第一位を獲得していましたね。 ストーリーのテンポが速くて 極めて映像的な描写が続きます…

Everyone can't stand the rain

こちら、ワット・プラシーマハタート というバンコク北エリアにある 由緒ある寺院。 スカイトレインが延伸して このお寺の名前がそのまま駅名になっています。 駅周りは特に商店とかもなく ガラーンとしたロータリーになっているんですが、 *Khaosod Englis…

映画のロマンス 想い出のロマンス

小田急百貨店の新宿本館がクローズ・・・ というニュースを読みました。 小田急というとロマンスカーを思い出しますねえ。 一般的には箱根方面へ行く行楽列車というイメージだと思うんですが 新宿への行き来に使い勝手が良かったんですね。 乗車券も特急券も…

観光エリアを避けて・・・ぶらりクルンテープ

美味しそうですが、一人暮らしだと どうにも無理目ですねえ。 出来たばかりの オープンエアーのパブ。 プールまでありますね。 ローカル立地でも この手の店はあちこちあります。 市場のなかの惣菜店舗。 お客さんの行列が絶えません。 順番札まである。 調…

塀の上のピクニック~岩井俊二&小津安二郎

岩井俊二監督の ”PiCNiC” (1996年) 浅野忠信、CHARA、橋爪浩一主演の 極めてスタイリッシュな68分。 塀の上、がメインなんですね。 三人は精神病棟に入院中で 塀伝いに「散歩」を楽しんでいます。 もう構図が最高です。 (それに比して、病院内の描…