バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

MY LITTLE TOWN

 

In my little town I grew up believing
God keeps His eye on us all
And he used to lean upon me as I pledged allegiance to the wall
Lord I recall in my little town

 

神の光はすべての人に注がれている

生まれ故郷のちっぽけな町で

そう信じて育った

 

壁に向かって誓いの言葉を述べながら

重荷に感じていたんだ

主よ 今でも僕は思い出す

故郷の町を

 

 

Comin' home after school flyin' my bike past the gates of the factories
My mom doin' the laundry hangin' out shirts in the dirty breeze

 

放課後は自転車に飛び乗って

工場の門の前を走り抜ける

母さんはいつも洗い物

澱んだ風にシャツを干していた

 

 

And after it rains there's a rainbow and all of the colors are black
It's not that the colors aren't there it's just imagination they lack
Everything's the same back in my little town
My little town my little town

 

雨上がりの虹は黒一色

色彩が欠けていたわけじゃない

無かったのは僕のイマジネーション

なに一つ変わりはしない

僕の生まれた町では

 


Nothin' but the dead and dyin' back in my little town
Nothin' but the dead and dyin' back in my little town

 

死人と死にかけた人以外

誰も居ない 

僕の故郷には

 


In my little town I never meant nothin'
I was just my father's son
Savin' my money dreamin' of glory
Twitchin' like a finger on the trigger of a gun

 

子供の頃は

父親の息子というだけ

小遣いを貯めて

ましな未来を夢見ていた

銃の引き金にかけた

ぴくぴく震えている指のように

 

 

Leavin' nothin' but the dead and dying back in my little town
Nothin' but the dead and dyin' back in my little town
Nothin' but the dead and dyin' back in my little town
Nothin' but the dead and dyin' back in my little town
Nothin' but the dead and dyin' back in my little town

 

written by Paul Simon

 

"MY LITTLE TOWN"      SIMON AND GARFUNKEL

www.youtube.com

 

払いたくない、じゃなくて払いたくてしょうがないんです管理費を

 

マンションに住んでますと

管理費ってありますよね、月々の。

私が今居るところは支払いが年一回なんですね

毎月ではなくて。

 

手間が省けるんでそれは歓迎なんですけれど

後払い、なんですよ。

前払いじゃなくて。

 

 

2023年~去年の分の管理費が

今年になって請求されるという。

(水道代も1年分を後払い)

 

しかもこちらからリクエストしないと

こないんですね(笑)

だったら放っておけばという話なんですが

それは良くないんですよ。

なんらかの手違いで請求されていたという可能性がありますから。

(郵便受けに投げ込みなんですが、部屋番号を間違えたとか紛失とか)

 

で、オーナーさんに言ったんです。

あの~早く支払いたいので・・・って

 

そしたら翌日には請求書入れてくれたんですけど

私のとこだけみたいなんですよ。

他の部屋のメールボックスには相変わらず入っていない。

 

翌日さっそく支払おうとしたら

居ないんですよね、お出かけ。

スタッフに聞いてみると

オーナーファミリーは総出でチェンマイにご旅行(里帰りかな)とのこと。

 

数日後にやっと払うことが出来ました。

こういうのって早めに(別に早くないんですが)

クリアにしておいたほうが気持ちがいいですから。

 

このマンションは管理会社による運営ではなくて

プロジェクトを開発したオーナー家族(のなかの担当者)

によるケアなんですね。

20年、30年と住み続けてる人がほとんどで

賃貸の住人はほぼ居ない感じ。

だから管理費や水道代の請求/支払いが

年一回&後払いでも特に問題が無いのでしょうね。

 

「せっかちねえ、あの日本人は」

なんて思われてるのだろうなあ。

 

でもそういうレイドバックな雰囲気が

実は好ましかったりもするんですよ。

 

多分築年数でいえば

バンコクでもかなり古参組のマンションだと思うのですが

メンテも結構気にかけてくれますし。

 

いつのまにやら十数年

~それでも新参者の部類でしょうけれど

いまやすっかり馴染んで

「マイ棲み処」といったところです。

 

(2010年)

(2023年)

 

(2010年)

(2022年)

 

(2010年)

(2024年)

 

(2010年)

(2023年)

戦前の「モダーン小津」の小品佳作 ”その夜の妻”

 

小津安二郎監督の

1930年(昭和5年!)製作。

断片ということでなく

完全な長さで残されているものとしては

もっとも古い作品のひとつですね。

 

 

序盤は

急病に罹った子供の治療代のために

強盗にはいった岡田時彦と警官隊のチェイス

 

 

戦後の小津作品にはおよそ見られない

”洋画テイスト” 100%

 

 

以降は

アパートの室内で

岡田、妻の八雲恵美子、寝床に臥せっている子供、刑事

の4人による心理戦が展開されます。

 

 

印象的なのは部屋の造作

岡田の職業が洋画家ということもあって

まるでアンティーク調のカフェのようにお洒落。

天井高もあるので、狭苦しさがまったくありません。

(食事も白飯でなくてパン、淹れたコーヒーを飲んでいます)

 

 

そんなハイカラなムードのなかで

八雲だけが和装~着物姿。

監督、意図的に狙ってますね。

(机のうえの小物類や壁に貼られたポスターなどの凝り具合も同じく)

 

 

岡田への牽制でしょう

刑事がしきりに手錠を見せつける

クローズアップのカット。

 

 

ラスト、岡田は逃げるチャンスもあったのですが

おとなしく刑事に連行されます。

その際には刑事は手錠を使いません。

優しく腕を組むだけです。

(窓から八雲と元気になった子供が見送っています)

 

 

二人が連れ添って

夜明けの街を歩く後ろ姿で

ジ・エンド。

 

いやあ、上手いですね。

一時間ちょっとの小品(オリジナルはモノクロ)ですが

ウェルメイドな佳品です。

 

脇の出演ですが

医者役で

初期の小津作品に欠かせない名優

斎藤達雄の姿も。

 

 

当時としては極めて高身長(優に180センチを超えていた)だったので

八雲と並ぶとその差が際立ちますね。

 

岡田&八雲は

翌年の ”東京の合唱” でも

名コンビ~夫婦を演じています。

 

”東京の合唱”(1931年) 左の子役は7歳の高峰秀子

すれ違いドラマの古典、100年経った今でも涙腺崩壊 "THE RED LILY"

 

これは ”ニアミス系” 映画の元祖ですね。

一世紀前の作品ですが

画面構成がスッキリ、

ストーリーもシンプルなので

字幕を読まなくても充分に楽しめます。

 

 

フランス郊外の片田舎

ラモン・ノヴァロとエニッド・ベネットは幼馴染で

大の仲良し。

 

 

しかし身分の違いがあって

(村長の息子/靴屋の娘、その父親が死んでしまい行く当てのない孤独な身の上に)

結婚することが出来ません。

二人はパリに駆け落ちを敢行。

 

 

慣れない大都会で

二人は離れ離れになってしまいます。

 

 

いつしか男は

やくざ稼業に

 

 

女は夜の世界に

 

 

警察に追われている男は

ある晩、見知らぬ女のアパートの部屋に逃げ込んだのですが

 

 

それはすっかりやつれて

面変わりしてしまったエニッドその人でした。

 

お前は墜落してしまったんだ

今や汚れた女さ

俺の天使なんかじゃない

 

と激しくエニッドを罵るラモン

 

 

女が一人生きていくために

どれだけの苦労があったと思うの?

それでも、あなたをずっと待っていた

と荒れた手のひらを見せるエニッド

(ラモンを見失ったその日のうちに、荷物と持ち金全てを掏られてしまっていた)

 

そんなエニッドを仲間内の見せ物にして

冷たい態度を取り続けるラモン。

エニッドはじっと耐えるだけ。

 

ある日遂に警察に追い詰められたラモンを逃がそうとして

エニッドは自らが撃たれてしまいます。

 

 

エニッドのおかげで逃げおおせたラモンですが

彼女が運ばれた病院に駆け付けます。

”神よ、私の過去の過ちをお許しください。

この女性だけが私の天使なのです”

 

待機していた警官がそっと彼の肩を叩きます。

 

 

時は流れて・・・

 

ある日エニッドの部屋のドアを叩く音が。

(夜の世界を抜けて、修道院の斡旋による洋裁仕事で生計を立てている)

刑期を終えたラモンが帰ってきたのです。

 

 

生まれ故郷の村に帰って

かつてと同じように馬車に乗る二人。

エニッドは左手の薬指に填められた指輪を見て

幸せそうに微笑むのでした・・・

 

ベタ、非常にベタ

いかにもといえばいかにもなんですが

良い映画ですよ~

 

メキシコ出身のラモン・ノヴァロは

当時人気の高かったイケメン俳優、

エニット・ベネットはすっぴんも披露

大変熱のこもった芝居をしています。

 

ごちゃごちゃトッピングはいらん

昔ながらのオーソドックスな基本メニューが

食べたい(観たい)時に是非どうぞ。

 

scene from "The Red Lily" (1924)  directed by Fred Niblo

www.youtube.com

いい味出してるなあ・・・100年前のミュージカル映画 "THE DANCE OF LIFE"

 

古い作品ですけどね

(監督/ジョン・クロムウェルエドワード・サザーランド)

マイご贔屓の逸品です。

 

 

ダンサーのハル・スケリー

踊り子志望のナンシー・キャロルと出逢って

コンビを組むことに。

(列車の待合室のシーンからして既にムード最高)

 

 

人気が出始めたんですが

調子にのったハルは

別の女性ダンサーとブロードウェイの

大劇場に進出。

もともと酒好きだったこともあって

毎晩飲み明かしてどんちゃん騒ぎ。

 

 

ナンシーはショックを受けますが

彼の成功が続くことを

陰ながら祈ります。

 

 

しかし度を越した飲酒癖によって

ハルは解雇されてしまいます。

失意のうちにますます酒浸りとなって

体調は最悪に。

 

 

その昔

ナンシーとハルが一緒に踊っていた劇場の支配人が、

お情けでステージの役を与えてくれたにもかかわらず

上演中にハルは倒れてしまいます。

 

そこに駆けつけたナンシー(既に別の裕福な男性と結婚)

「あなたはまだ踊れる、踊れるはずよ」

懸命にハルを励まします。

 

 

かつてハルは、舞台で踊っている際に

「結婚してくれるかい?」

とナンシーに囁やいたとこともあったのです。

 

 

今やハルは立っているだけで精一杯。

「あなたは最高のダンサーでしょう?踊り続けて!ここがあなたの舞台よ」

ナンシーは彼の身体を支えながら

スローなステップを踏むのでした・・・

 

 

ハル・スケリーのぐうたらでいい加減

しかしどこか憎めない芸人ぶりと

勝ち気で姉御肌のナンシー・キャロルの

コンビネーションがGOODです。

 

 

当時のミュージカル演目もたっぷりと楽しめるのですが

なんといっても二人のダンスシーンが

ひたすらに最高であります。

 

 scene from "THE DANCE OF LIFE" (1929)

www.youtube.com

火星でも革命が起きていたのでした・・・100年前のSF映画 ”アエリータ”

 

ヤーコフ・プロタザナフ監督の

1924年度作品。

 

かの ”メトロポリス” に先立つこと3年

創成期のサイエンスフィクション映画として知られています。

 

 

ロシア・アヴァンギャルドの代表的アーティスト

アレクサンドラ・エステルの

衣装デザインが目を惹きますね。

 

 

火星の女王を演じている

ユリア・ソーンツェアは後に監督業に転身、

海外各国で高い評価を受ける作品を

自ら手掛けていくことに。

 

 

さて、ここで描かれている火星は

奴隷制が敷かれているのですが

女王が決起して

革命を起こすという流れになっています。

 

 

当時のソ連の状況が反映されているのでしょう。

プロバガンダ映画としての側面も強いですね。

 

しかしそれではエンタメ色が足りないので

適度にコミカルな場面を入れ込んであります。

 

(火星に到着した地球人が、火星人のコスチュームを見て警察と勘違い。結局自分が連行されてしまう)

 

全体で2時間近くとかなりの長丁場なのですが

時間的には火星シーンよりも

モスクワの日常風景のほうに比重がかかっていて

そちらでは通常のドラマ展開。

 

 

終盤には

ツイスト~ひと捻りが加えられていて

ジ・エンド。

 

やや未整理で冗長な場面が結構ありますし、

ツッコミどころも満載なのですが

(空気もあって暑くも寒くもない火星、どこからどう見ても地球人の火星人)

なんといっても一世紀前に

これだけの内容を映像にしたわけで

”パイオニア” 賞が

相応しい佳作であります。

 

scene from "Aelita~Queen Of Mars"  

www.youtube.com

夏から冬、光から闇 映画史に残る傑作 "THE SUN IN A NET"

 

これはマスターピースですね。

シュテファン・ウヘル(チェコスロバキア)監督の

1963年作。

 

 

ブラスチラヴァ(監督の生まれ故郷)のアパートで暮らす

Jana Beláková

 

浮気者の父親

それを苦にして自殺を図り、目が不自由な母親

全てを達観したような弟

との4人暮らし。

 

 

写真撮影が趣味で

いつもカメラを持ち歩いているボーイフレンド

Marián Bielik

が居るのですが、二人が会う時の会話はいつも刹那的です。

 

 

Marián は

郊外の集団農場での労働奉仕に出かけるのですが

そこで出会った

魅力的な女性と付き合うようになります。

 

 

一方、Jana にも

別の彼氏が現れるのですが

心の中は空虚なまま。

 

 

農場から戻った Marián は

久し振りに Jana と再会。

二人は懐かしそうに見つめ合い

固く抱擁を交わすのですが・・・

 

 

一組の男女の微妙な心模様を軸に

家族の関係性(祖父、父、母、子供)を

丁寧に解き明かしていく手腕はお見事。

 

都会/田舎

カメラ/盲目の母

太陽光線/日蝕

プール/干上がった川面

 

などを対比させていく

シークエンスの積み上げも

鮮やかですね。

 

(手前に見つめ合っている若い二人、後方に背中を向けている母親と弟)

 

監督にとっては2作目の長編ですが

ここまで上手いと

もう何も付け加えることはありませんね。

 

ちなみに出演者のほとんどは

演技経験の無い素人か

映画学校の学生たちということで、

オーディションの様子が残されています。

 

"Slnko v sieti"  casting (1962)

www.youtube.com

 

 

蕎麦だけでなく

そばつゆも引き締まった味わいの

隠れた名店の90分。

 

機会があれば

ご賞味くださいまし。

 

"The Sun In A Net"    Trailer

www.youtube.com