まあおよそ
ミュージカル映画というものは
派手なものです。
歌って踊る場面がメインなわけですから。
この作品はそういう意味では
目立たないんですね。
勿論踊りのシーン、ちゃんと用意されていて
主人公のジューン・ヘイヴァーも
相当に上手いんですね。
有名な楽曲も含まれてるし。
でも同時代の
フレッド・アステア、ジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドらの
有名作と比べると
華やかさに欠けてしまう。
全体の進行もどこか”もっさり”しているし
ギャグもベタなものが多く、モダンな感覚ではありません。
(製作会社のカラーとか予算的なものがあるのでしょう)
ジューン・ヘイヴァー扮するは
1910~1920年代に活躍した舞台女優
マリリン・ミラー。
内容的には
女一代ど根性奮闘記といったところ。
相手役は
”オズの魔法使い” の案山子で知られる
コミカルな演技が笑いを誘います。
ヘイヴァーの二人の姉には
リー&リン・ワイルド(双生児)
歌って踊れる人たちなので
前半で消えてしまうのが残念。
ヘイヴァーとの絡みをもっと多くしていれば
舞台場面にも変化がついたのでは?
ジューン・ヘイヴァーは
早く映画界を引退したので
それほど出演作は多くありませんが
ドラマの演技&ダンスともに高水準。
もっと評価されてもいい女優さんかと。
こちらがマリリン・ミラーご本人。
アルコール依存や心身の不調に苦しみ
30代で亡くなっています。
(映画のほうではそのあたりはほとんどスルー)
マリリン・ミラーとジューン・ヘイヴァーの比較映像。
優劣云々ではなく
キャラクターが違いますね。
ステージではミラーのほうがずっとインパクトがありますが
顔がすくっと正面を向いている
ヘイヴァーの端正な動きも素敵です。
そうそう
ちょっとドキッとするシーンがあります。
隔離・・・
コロナではありません。
おたふく風邪です。
やれやれ。
"Look For The Silver Lining" (1949) Trailer