バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

不動のカルト映画のポジション確立 "顔のない眼"

 

これはサスペンス/ホラー系の作品としては

ファンのあいだでよく知られていますね。

(仏・伊共同製作 監督/ジョルジュ・フランジュ

 

物腰の落ち着いた婦人アリダ・ヴァリ

街中で若くて美しい娘に声を掛け

屋敷に招くのですが

 

 

なんと屋敷の主ピエール・ブラッスール

女性を麻酔で眠らせて

顔の皮膚を剝いでしまう

恐怖のマッド・ドクターだったのです。

 

怖いですね~

何ゆえにそんな恐ろしいことを・・・

 

 

彼には美しい一人娘エディット・スコブが居るのですが

交通事故で重傷を負い、顔全体が重度の火傷により

大きく相貌が変わってしまいました。

 

スコブは以来

顔にマスクをつけて

一歩も外出せず

絶望の日々を送っています。

 

 

見兼ねた医者の父は

かつての患者ヴァリに

若い女性の誘拐を指示し、

皮膚の移植手術で

なんとかスコブの顔を取り戻そうとしていたのでした・・・

 

 

筋立てとしては

典型的なB級テイストになりそうなのですが

脚本や音楽スタッフに実力者を起用していて

単なるゲテモノ系には終わっていません。

 

 

洗練されたカットもあちこちに。

(しかし安っぽさも同時にあって、脇の出演者の演技もイマイチだったりする)

 

 

有名な俳優さんは

アリダ・ヴァリのみですが

さすがの貫禄。

 

 

ほぼ全編マスクを被っているスコブですが

身体のラインが非常に華奢なんですね。

父親役のブラッスールやヴァリは小太り体形なので

その対比が、スコブの揺れる心理状態をよく表しています。

 

 

エディット・スコブは息の長い役者さんで

2000年代に入ってからも

多くの作品に出演していますね。

(2019年、81歳没)

 

ラストがちょっと消化不良というか

盛り上がりに欠けるんですね。

もうちょい時間をかけて撮っていれば

更に評価が高くなったような・・・

 

Eyes Without a Face (1960)  Trailer

www.youtube.com