バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

暴力&暴走? 実は脚本が練り込まれているサム・ペキンパーの傑作 ”ガルシアの首”

 

一部で熱狂的なファンがいる

サム・ペキンパーの1974年作品。

登場人物の多くが死んでいく(殺されていく)映画です。

 

 

舞台はメキシコ

食い詰めた中年男(ウォーレン・オーツ)は

100万ドルという巨額の懸賞金話を聞きつけます。

ガールフレンド(イセラ・ヴェガ)によると

その男~ガルシアは既に死んで埋葬されているらしい。

オーツとヴェガは男の故郷に向かい、

墓場を掘り起こして

首を持ち帰ろうとします。

(身代金を受け取る条件)

 

 

二人は大金をせしめた後の

生活を夢想します。

この前半のパートは旅情あふれるロードムービーの趣きですね。

(ヴェガが暴漢に襲われそうになったりするのですが)

 

 

夜になるのを待って、棺桶をこじ開けようとしたオーツ

背後から何者かに殴られて気絶、

目覚めると傍らでヴェガが殺されていました。

 

ここからオーツの

たった一人のリベンジが始まります。

相棒は無造作に袋に詰められた

ガルシアの首です。

 

 

ここからはまさにペキンパーの独壇場になるのですが、

ストーリーがしっかり組み立てられてるんですね。

前半パートに登場してきた面々がキッチリ顔を揃えています。

(結局は命を奪われていくのですが)

 

 

オーツは最終的に身代金の提供者

(絶大な権力を持つ大地主)

の許に辿り着くのですが、

その屋敷内のシーンも実に秀逸です。

 

 

ペキンパーというと

その圧倒的なバイオレンス描写に目が向きがちですけれど

何よりももとの脚本がまず素晴らしいことを

まざまざと実感できる112分ですね。

 

どうもペキンパーの映画は肌に合わん・・・

という向きも

その緻密な構成力に目を向けて鑑賞してみると

違った感想を持つことが出来るかもしれませんよ。

 

Bring Me the Head of Alfredo Garcia   Trailer

www.youtube.com