バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

ゴテゴテ感が見どころ? ポランスキーの二番煎じ "黒衣の婦人の香り" (1974年)

 

古ぼけた1枚の家族写真がタイトルバック。

なかなかに期待を抱かせるオープニングです。

 

 

ローマの薬品研究所に勤めるミムジー・ファーマー

 

 

大学教授の彼氏も居て

表面的には何ひとつ不自由の無い毎日なのですが

 

 

アパートの隣人や友人全てから

行動の逐一を監視されているような不安感を隠せません。

 

ミムジーは幼少時の環境にトラウマがあり

当時の忌まわしい記憶に苦しめられているのですが

 

 

少女時代の自分が頻繁に出現するようになり、

会話を交わすようになります。

 

 

ミムジーの精神は徐々に崩壊し、

常軌を逸した行動を取るように。

 

一方、彼女を監視していた街の住人たちは

廃墟の地下室に夜な夜な集まって・・・

 

そう、本作はロマン・ポランスキーの有名作

”反撥” (1965年)と ”ローズマリーの赤ちゃん” (1968年)

をそのまま足して、そのまま2で割ったような

構成なのですね。

 

そういう意味では目新しさはゼロ、

完成度もポランスキーに及びません。

(監督/フランチェスコ・バリーリ)

 

しかし見どころが無いわけではなく、

 

 

まず、主演のミムジー・ファーマーが綺麗ですね。

アメリカ生まれですが、出演作はフランスやイタリアがほとんど。

いま一つ作品に恵まれず

80年代には姿を消してしまいますけれど、

知的で落ち着いた雰囲気が印象的です。

 

 

また、ミムジーの住んでいるアパートメントが

世界遺産かよ!

と思うほどのアンティーク&ゴージャスな外観。

 

ミムジーに限らず、登場人物の室内も

眩暈がするほどの色彩感&やたらに多い飾り物の数々。

(どうやって掃除するんだ?引っ越しする時大変だろうな~)

 

 

このイタリアンな感覚は

ポランスキーにはない

オリジナルの個性ですね・・・

 

Il profumo della signora in nero    Trailer

www.youtube.com