バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

ロマン・ポランスキー&カトリーヌ・ドヌーブのがっぷり四つ ”反撥~Repulsion”

 

ポランスキーの長編2作目(1965年)

この3年後に有名な ”ローズマリーの赤ちゃん

が登場するわけですが、モチーフは共通していますね。

 

どちらもアパートメントの室内が主な舞台(ロンドン/ニューヨーク)

精神の限界ギリギリ状態に陥ってしまうのが若い女

カトリーヌ・ドヌーブミア・ファロー

悪夢&幻想的なシーンが盛り込まれている点など。

 

 

ロンドンの下町に姉と同居して暮らすドヌーブ

 

 

美しい外見に惹かれ、言い寄ってくる男も居るのですが

 

 

潔癖症(アパートに帰宅するやいなや、洗面所で足を洗う)

過敏症(生活音が耐えられない)

である彼女は、他者と触れ合うことに嫌悪感を隠せません。

 

 

職場(有閑マダムのためのエステサロン)でも

心ここにあらず、客に怪我をさせてしまいます。

 

 

姉は恋人とパリへ旅行に。

一人部屋に残されたドヌーブは頻繁に悪夢に襲われるようになり、

外界との接触を喪失していきます。

 

 

アパートの大家やドヌーブにご執心の若い男が

部屋を訪ねてくるのですが

 

 

ドヌーブにとって彼等は、もはやコミニュケーションが不可能な

乱入者~自分を傷つける存在以外のなにものでもありませんでした。

ドヌーブは自分を守るために刃物を手に取り・・・

 

”子供帰り”(頻繁に爪を噛む、動作が幼児のようになっていく)

を演じるドヌーブの演技が秀逸です。

室内のシーンでは露出度の高いガウンを着たままですし

まさに体当たりの熱演。

 

 

幻想場面では

部屋の大きさが拡大されていますので

(実際のアパートはこれほど大きくはない)

幼少時に住んでいた家の記憶が混入しているのでしょう。

 

 

ラストシーン、子供時代の家族集合写真がクローズアップされますが

にこやかな父母や姉のなかで

ドヌーブだけは茫然とした表情で、カメラから視線を外しています・・・

 

全体のまとまりとしては、むしろ

ローズマリー~”より勝っているのではないでしょうか。

サイコスリラー系の傑作、と呼べる逸品です。

 

Repulsion      Trailer

www.youtube.com