バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

夫の無理解、父親からの抑圧をじっくり炙り出す傑作ドラマ "SHE'S BEEN AWAY"

 

これは素晴らしい作品。

1989年の英国テレビドラマ

(監督/ピーター・ホール

ですが、その年のヴェネチア映画祭

主演の二人が揃って女優賞を獲得しています。

 

 

裕福なビジネスマン(ジェームズ・フォックス)と

妻(ジェラルディン・ジェームズ)が

50年以上も精神病棟に収容されていた

叔母(ペギー・アシュクロフト)を引き取ることに。

 

 

ジェラルディンの不安は的中。

ペギーは様々な奇行を繰り返し

その後始末に追われます。

 

(スーパーでは商品の陳列をバラバラにしたり、大量の買い物をしてレジを無視)

 

 

ジェラルディンは身籠っていることもあり

精神的に不安定なのですが

夫は取り合おうともしません。

 

(ふざけて夫とじゃれ合っているうちに、本気で夫の頬を殴り始める)

 

我慢の限界を超えたジェラルディンは

ある日衝動的に家出を。

車で出発しようとすると

ペギーが乗り込んできます。

「私も連れてって」

 

 

二人で旅を続けているうちに

ジェラルディンは

ペギーが何故、半世紀ものあいだ

施設に閉じ込められていたのか

その真実を知ります。

 

 

ペギーもまた

急に産気づいて

出産したジェラルディンの赤ちゃんを見るうちに

心の奥底に閉じ込めていた想いが蘇ってくるのでした・・・

 

脚本が非常に丁寧に作られていて

出演者全員が好演、

なかでもジェラルディン・ジェームズの演技は

超一級です。

 

 

回想シーンで若き日のペギーを演じる

レベッカ・ピジョン

鮮烈な印象を残します。

 

この人はミュージシャンとしても活躍していて

かなりの数のアルバムを発表していますね。

 

"Spanish Harlem"   Rebecca Pidgeon

www.youtube.com

 

音楽のほうでいえば

この映画はサントラもGOODですね。

 

ストーリー

パフォーマンス

音楽

の3拍子が揃った103分間を

是非ご堪能ください!

 

(唯一✖なのは日本語タイトル、”おかえりなさい、リリアン” ってなんですか? 久しぶりに帰省した主人公の女性が昔の同級生に再会して・・・とか、そんな適当なふわっとした内容じゃないでしょうに)

 

End Title Music from "She's Been away"  by Stephen Edwards

www.youtube.com