バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

日本人にも極めて分かりやすいインド映画 ”大都会”

 

これは傑作、と言っていいのではないでしょうか。

インドのというより

映画界の巨匠サタジット・レイの1963年作品。

 

 

カルカッタコルカタ)に暮らす主婦

マドビ・ムカージ

夫と子供に加えて

夫の両親、妹との同居生活。

暮らしぶりは楽ではありません。

 

 

かつて教師をしていた義父は

小遣い銭欲しさに昔の教え子を訪ね歩くという

困ったちゃんです。

 

 

家計を少しでも助けるために

ムカージは訪問販売(ミシン)の仕事に就きます。

人柄が良い彼女は

顧客をすぐに獲得。

妹と子供に服や玩具を買ってあげることが出来たのですが

夫や夫の両親はムカージが外で働くことに

渋い顔です。

 

いきいきと働くムカージに嫉妬する夫

 

 

ある日、夫の勤めていた銀行が倒産。

一家の収入はムカージ頼りになってしまいます。

夫は妻の上司に会いにいくのですが・・・

 

インド映画というと

踊るマハラジャ系や

派手なアクション(&恋物語)もの

あるいは社会的メッセージの強い硬質な作品が多いのですが

本作はそれらとは異なる落ち着いた仕上がり。

小津や成瀬映画のような感触がありますね。

 

日本の蚊取り線香のポスターが・・・

 

 

レイと名コンビのスブラタ・ミットラの

カメラワークが素晴らしい。

 

 

そしてなんといっても主演の

マドビ・ムカージの演技が秀逸です。

思慮深く、正義感があり

家庭の幸福を願う主婦を熱演しています。

(ムカージはレイの次作 ”チャルラータ” にも起用されていて、そこでは逆に富裕マダムの役柄。個人的には本作のほうが好みですね)

 

2時間15分とやや長めですけれど

ベンガル語と英語が(シチュエーションによって)

混ざり合うところなど興味深いですよ。

 

未見の方は是非に!

 

 

Mahanagar      Trailer

www.youtube.com