バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

主婦、脱出。

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主婦がなにかの事情をきっかけに

家庭を捨てる、飛び出すという

構成のストーリーはかなりあると思いますが

スティーヴン・キングの ”ローズ・マダー” は

追う側(夫)のしつこさではピカイチのくどさ。

何しろ旦那の職業は警察官なので、追跡のプロですから。

(ちなみにこの夫はとんでもないサディストで、徹底的なバイオレンスを妻に与え続けています)

 

映画ではリドリー・スコット監督の

テルマ&ルイーズ”(1991年)がよく知られていますね。

 

Thelma & Louise  予告編

www.youtube.com

 

ちょっと作りが粗いところがあるようにも感じますが

ラストシーンは印象に残りますよね。

終わり方としてはどうなんだろう、多分

評価は人によって様々でしょうね。

 

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日本の小説でも多くの作品がありますけれど

エスケープ主婦を書かせたら

日本一の桐野夏生

 

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舞台が日本ですと、旦那の存在感が薄いんですよね。

もう関係性が切れてしまっていて

妻の行動にも無関心あるいは

やっかいなことをしてくれたという態度に終始。

子供が居る設定でも、お母さんを守ろうとする場面が無い。

あくまで妻=母は孤独な存在です。

 

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小池真理子のこの小説では

夫(映画監督)のDVに耐えかねた妻の脱出劇。

知り合いやかつて訪れた場所をひとまず目指すのではなく、

まったく見知らぬ土地での新生活

&その場所でやはり事情があって追われている男

との出逢いが描かれています。

 

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篠田節子の ”逃避行” には相棒が。

でもそれは人ではなくて犬です。

(長年飼ってきたレトリーバーが隣の住人を噛んでしまったことにより、夫は安楽死させることを主張。それをきっかけに「単なる家事請負労働人」に不満を覚えていた主人公は家を飛び出します)

 

旅を続けるうちに人間だけでなく

犬も束縛から解き放たれ、行動そのものが変わっていく記述が新鮮です。

(終わり、はやがて両者に来るのですけれども)

 

まだ映画化はされてないのかな?

きっと話題作に仕上がるような気もしますが・・・