自分の身体に変化が起きる~
およそ好ましくない場合がほとんどですが、
そういった設定の小説や映画は多いですよね。
かのカフカの ”変身”
映画では、次から次へと製作されるゾンビもの
などがすぐ思い浮かぶところ。
リチャード・マシスンの ”縮みゆく男” は
その名の通り、身長がどんどん低くなっていき
遂には細胞レベルまでミクロ化していくというお話。
映画化もされています。
縦、ではなくて横方向に縮小していくのが
スティーヴン・キングの ”痩せゆく男”
体重の減少が克明に記録されてゆきます。
(ただ、主人公のもともとの体重が100キロ超なんです。なので今一つ切迫感がないかな~という気も)
こちらも映画になっているのですが、
Thinner 予告編
出来はいまひとつ。
大きくしたり小さくしたりというよりも
痩せていく、という映像表現は難しいのかもしれませんね。
逆に体重の増加が止まらないのが、
篠田節子の ”家鳴り”
夫の作る料理を次々と「完食」し続ける妻の肥満が
遂には限界に達し・・・というストーリー。
(コメディー仕立てではなく、哀しいエンディングです)
上田早夕里の ”くさびらの道” では
人間の身体に寄生する茸(キノコ)が登場します。
全身を胞子に覆われた患者に
人間の心は残っているのでしょうか・・・
「変身もの」の極致は
どこにでも居るサラリーマンの主人公、
ある日突然自分の思いのままに、姿形を変えられるようになります。
美しい女性や動物に変身したり
ゴジラになってみたり。
しかしいつの日か、男の胸中には寂寥感だけが残り
「そうだ、いっそのこと・・・」
と最終変身の決意に至るのです。
僅か十数ページの短編なのですが、さすがの切れ味。
私の手許にある文庫版では、他の収録作品も粒ぞろいで
読み応えがありますよ。
変身系の設定も多いので、機会がありましたら
是非ご一読を。