バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

後半失速・・・巨匠テオ・アンゲロプロスのロードムービー ”蜂の旅人”

 

期待を抱かせるオープニングカットであります。

 

 

小学校教師だったマルチェロ・マストロヤン二

娘の結婚式に参列していますが

どこか上の空です。

(娘もエキセントリックな仕草をします)

 

 

式が終わるとマストロヤン二は

トラックの荷台にミツバチの巣箱を乗せて

旅に出ます。

 

 

途中ヒッチハイクしていた若い女(ナディア・ムルージ)

を同乗させるのですが、奔放な彼女は

若い男を部屋に連れ込んだり

気の向くままに行動。

 

 

マストロヤン二は花を求めて

ギリシャを南下

かつての旧友たちを訪ね歩きます。

 

 

いい感じですよね?

で、実際素敵なシーンが幾つもあるんですよ。

 

ところがところが、ラストに向けて

あんりゃー状態になってしまうんですね。

マストロヤン二とムルージは最後に愛を交わすことになるのですが

そのシーンが思い切り

浮きまくりなんですね。

 

 

まず時間がかなり長く、10分近く

セックスシーン(それもかなり濃密)が続くんですね。

で、その場所が映画館のスクリーンの手前なんです。

(マストロヤンニの友人の館主に一晩泊めてもらったという設定)

 

映像的にね、効果を狙っているんでしょうけれど

それまでの流れからするといかにも不自然なんですよ。

 

 

マストロヤンニの心中もいま一つ

共感しにくい部分があるような。

(ミツバチの生態と人間の一生~男女や親子の関係性を引っ掛けてるのも分かるんですが)

 

映画を楽しむポイントは

*全体の完成度が高い

*部分部分で印象的なシーンがある

に大別されると思いますが

この作品は明らかに後者かなと。

 

The Beekeeper (1986)  Trailer

www.youtube.com