バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

邦題の付け方が変! しかしこれは力作の ”FIGURES IN A LANDSCAPE”

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鬼才、ジョゼフ・ロージーの1970年監督作品。

原題が、”Figures In A Landscape”

で邦題が ”風景の中の人物”

 

いや、あのね

絵画じゃないんだからさ。

映画のタイトルになってないでしょうよ。

(日本では実際に封切りされたのかな?)

後年にテレビ放送されたときには

”雪崩”

と変更されていますが、

あのさ~、雪崩の場面なんか

全然無いじゃないですか。

観てないんじゃない? 日本側の担当者さん。

まったくもって売る気なし、やる気なしなんですが

では出来が悪い作品かというと

 

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さにあらず、これが見どころ満載なのですよ。

 

冒頭はヘリコプターからの空撮。

スケール感のある映像が展開されます。

 

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チェイスのシーンは非常に迫力あります。

CGとかではなく、スタントでもなく

実際の役者が演じ切ってますんで。

 

体当たりの演技をしているのが

ロバート・ショウ

マルコム・マクダウェル

の二人。

 

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なんだか知りませんが、ともかく

強大な組織から追われてるんですね。

しかし一切、説明が無いんです。

なぜ追われてるのかということについて。

そもそも、場所(ロケ地はスペインだったようです)についての

言及も無し。

 

セリフがあるのはこの二人だけで

追う側についてはその様子が映されているだけです。

 

スピルバーグの映画で ”激突” というのがありましたよね。

ある意味それに近い感触。

(本作のほうがずっと先に作られているわけですが)

もうね、理屈とか必然性とかゼロ。

ただただどこまでも追っかけられるという。

 

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二人は逃げて逃げて逃げまくるのですが

遂には包囲されてしまいます。

マクダウェルは投降するのですが、

 

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ショウは最後まで

襲い掛かるヘリに立ち向かいます。

 

大傑作かどうかは別として

観て損は無い意欲作ですよ。

少なくとももっと話題になっていいし、評価されるべき作品だと

思いますねえ。

 

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ショウもマクダウェル

この時点では大スターというわけではありませんが

マクダウェルが ”時計じかけのオレンジ” で主演に起用されるのは翌年)

まさに身体を張った二人の ”体技” が見ものです。

現代都市と隔絶された大自然が舞台ですので

古臭さを感じないというポイントもありますね。

 

若い世代の方でも

退屈することなく

楽しめる一本であります。

 

Figures In a Landscape   Trailer

www.youtube.com