全盛期のエルトン・ジョン
テンションマックス
見た目もギンギンでしたねえ。
歳を重ねていくにつれ
落ち着きを増していきましたけれど
それでも各アルバム、
豪華なゲストを迎えたり
シングルカット用の売れ筋曲が入っていたりと、
なにかしら話題性はあったんですね。
ところが2004年発表の
”ピーチ・ツリー・ロード”
これが非常に地味。
エルトンのアルバムは1970年代中頃以降は
大体、発売と同時に聴いてましたけど
目立たない、という点ではピカイチの作品ですね。
(変な言い方ですが)
Porch Swing In Tupelo
まず収録曲のほとんど全てがバラード曲。
それもロマンティックなラブソングではなくて
もっとビターテイストな重厚なナンバーばかり。
オルガンやペダルスティールが強調されていて
カントリー、ブルース色が強いですね。
ゴスペルのコーラス隊がフィーチャーされているのも
目を惹きます。
Answer In The Sky
アルバムジャケットにエルトンやバンドメンバーは
一切登場しませんし、
ブックレットに使用されているフォトも人間は誰一人
写っていないものばかり。
ゴキゲンなエルトン節を期待していると
正直飽きてしまう構成&サウンドなのですが
クレジットを注意深く見てみると
こんな表記が。
実はこのアルバム発表の2年前、
70年代の代表的な作品すべてをプロデュースしていた
ガス・ダッジョンが、同乗していた奥さんとともに
交通事故死するという痛ましい事件があったのですね。
アルバム全体のトーンが
他のエルトンの作品とは随分と異なっているのも
頷けるような気がします。
エルトンの代表作ではないし
ヒット曲も入っていませんし
有名なゲストも参加していませんが
一人でじっくりと耳を傾けたいときには
数ある彼の作品でも
一二を争う良作だと思うのであります。
All That I'm Allowed