バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

「パパ、私のお芝居どう?」チャップリンの長女ジェラルディンの力作 "悲しみは星影とともに”

 

かのチャーリー・チャップリンの長女

ジェラルディン・チャップリン主演の

1966年作品(監督/ネロ・リージ イタリア&ユーゴスラビア製作)

 

 

ナチスドイツ占領下のユーゴスラビアで暮らす

ジェラルディン、

母は既に死亡

父親は収容所送りになっています。

 

彼女には盲目の弟(フュデリーコ)が居るのですが

 

(コップに指を入れて水の容量を測っています。きめ細やかな描写)

 

気詰まりな毎日の慰めは

パルチザンの青年(ニーノ・カステルヌオーヴォ)に

会いに行くことです。

 

 

ナチスの圧政は日増しに激しさを増していき

 

 

ささやかな村の行事も

許されなくなります。

 

 

抵抗の姿勢を見せる者は

容赦なく殺され

 

 

遂にはジェラルディンと弟も

収容所行きを命じられます。

 

「お姉ちゃん、どこへ行くの?」

「これからお家へ帰るのよ、お母さんが居た。あなたの目もきっと見えるようになる。世界は昼も夜も光に溢れているの。今橋を渡ったところ。私たちの家が見えてきたわ」

 

 

地味な作風ですが

ジェラルディンの好演が光る佳品ですね。

 

チャップリンと妻のウーナ)

 

こうしてみると

やはりお父さんの面影がありますね。

とてもよく似ています。

 

 

また目の不自由な人物を庇うという点は

チャップリンの超有名作

”街の灯り” (1931年)と

共通したモチーフですね。

 

"CITY LIGHTS"  with Virginia Cherrill

 

ところで、いつものように酷いのが

日本語タイトル。

 

”悲しみは星影とともに”

なんて安直なネーミングでしょうか。

もともとのイタリア語はそんな意味では

まったく無いでしょうに。

(原作は自らが収容所での生活を送った著者による実話)

 

英訳は "We'll Go To The City"

となっているようですが

なんでもかんでも

悲しみ(哀しみ)とか思い出とか星影とか

付けるのは止めましょうよ・・・

 

"Andremo in città"     Trailer

www.youtube.com