おお、カッコいいオープニングですね。
野外ロケ満載の映画と思いきや
真逆の室内劇ムービーです。
ジンジャー・ロジャースは刑務所でお勤め中。
弁護士のエドワード・G・ロビンソンは
彼女を高級ホテルのスイートルームに連れ出し
司法取引をもちかけます。
マフィアのボスについて法廷で証言してくれれば
釈放すると。
(ロジャースはかつてボスの愛人だった)
証言台に立とうとした関係者は
今まで組織に例外なく殺されています。
ロジャースはロビンソンの要求を拒否しますが
そのままホテルに缶詰め。
彼女の護衛には
ブライアン・キース他、刑事たちが24時間態勢で張り付きます。
ロジャースの(モンローウォーク調の)歩き方を見て
「君はもしかしてモデルの経験があるんじゃないかい?」
とキース。
嬉しくなったロジャースが「あら、わかる?」
と返すと、
「いや、調書にそう書いてあったからね」
ジンジャー・ロジャースといえば
1930年代のフレッド・アステアとのコンビが
あまりに有名。
この作品の撮影時には
既に40代半ばで、もうステップを踏むことはありません。
(ほんの少しだけ、キースとチークダンスをするシーンがあります。邪魔にならないように、拳銃のホルダーをスッと脇にずらす洒落たカットあり)
その代わりに凄いのが
セリフ数の多さ。
尋常ではないボリュームです。
ロジャースは最初から最後まで出ずっぱりなのですが
徹頭徹尾、喋りまくりです。
メインの登場人物が3人だけ
&お喋りな性格設定ということもあって
休憩なしのノンストップ速射砲トーク。
なかなかイエスと言わないロジャースに
業を煮やしたロビンソンは
ロジャースの姉にも説得を頼むですが
却って逆効果に。
無骨ですが優しいところもあるキースに
好意を持ち始めるロジャース。
しかし、組織も黙ってはいないのでした・・・
ラストは法廷シーン。
ロビンソンがロジャースに尋ねます。
「あなたの現住所は?」
「刑務所です」
「仕事は何をしていました?」
「今の職業は......」
ここでロジャースはビシッと見得を切ります。
どんな決め言葉かは
観てのお楽しみということで。
TIGHT SPOT (1955) Trailer