バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

スクリーンの神様もニッコリ~映画作りのお手本 “ヒズ・ガール・フライデー”

 

名作の誉れ高い

ハワード・ホークス監督の

1940年作。

 

 

スピーディーな展開と

早口言葉の応酬が売り物の

スクリューボール・コメディ” の代表的作品で

主演はケーリー・グラントロザリンド・ラッセル

 

グラントとラッセルは

同じ職場(新聞社)で働いていた夫婦~編集長と記者

でしたが、現在は離婚しています。

ある日ラッセルが新しい彼氏(ラルフ・ベラミー)を

グラントに紹介。

ちょっと食事でもと三人でレストランへ。

 

 

グラントは当然のように

ベラミーを押しのけて

ラッセルの隣の席へ。

 

 

煙草の火をつけたりつけられたりも

阿吽の呼吸。

(ベラミーは非喫煙者

 

 

グラントとラッセルの紫煙

完全にリンクしています。

 

 

帰り際

ベラミーがもたもた残りのコーヒーを飲んでいると

グラントが素早くラッセルのコートを手に取ります。

(この後、ベラミーに「着せるのは君の役目だね」と言うグラントのセリフあり)

 

これぞ映画の醍醐味、なにげない仕草に

グラントとラッセルの(別れていても)親密さを浮き彫りにする

匠の技が発揮されています。

(結局ベラミーはお役御免になってしまう)

 

 

また、人物の出し入れが実に巧みです。

 

 

多くの場面でドアが開け放たれていて

ひっきりなしに人が出たり入ったり。

このあたりの捌き方で

監督の力量がくっきりと

出てきますね。

 

 

ちなみに、映画評などで

「全編がケーリー・グラントロザリンド・ラッセルの会話で占められている」

的に紹介されていますが、

そんなことはまったく無く

(グラントは中盤パートでは、ほぼ完全に消えています)

他の登場人物にもバランスよく

セリフが割り振られています。

 

 

グラント以上に大活躍なのが

ロザリンド・ラッセル

彼女の魅力が本作の人気に大いに貢献していますね。

 

特に悪い男ではないのに

いいように使われるだけの

ラルフ・ベラミーが

ちょっと可哀想過ぎるような気もしますが・・・

 

"His Girl Friday" (1940)   Trailer

www.youtube.com