”暗黒街の弾痕”
という邦訳になっている名匠フリッツ・ラングの
1937年の作品。
タイトルからするとギャングものとか
警察VSマフィア映画、想像しちゃいますよね。
日活映画かな、とか思ったりして。
主演が渡哲也で脇に二谷英明・・・
じゃないんですよ。
原題は YOU ONLY LIVE ONCE
全然、ニュアンスが違いますがな。
刑務所に服役していたヘンリー・フォンダ、
出所してからの更生を誓います。
彼のことを信じて、尽力してくれる恋人
シルヴィア・シドニーのためにも。
ところが世間の風は冷たく、ささいなことから勤め先を解雇、
あげくの果てに無実の罪を着せられて死刑宣告、
刑務所内で殺人を犯してしまいます。
シルヴィァは彼との逃避行に。
「なにがあっても私はあなたと一緒に居たい」
過酷な旅が始まります。
シルヴィアの身を案じる周囲の人間は
何とか救いの手を差し伸べようとします。
彼らの好意に感謝するシルヴィアですが、逃避行のあいだに生まれた
フォンダとの赤ちゃんを託し、去っていきます。
二人は自由の世界に羽ばたいていけるでしょうか・・・
ね、どこが”暗黒街の弾痕”なんですか、と。
平凡だけど、”二人の絆”とかそういうタイトルの内容でしょうよ。
ヘンリー・フォンダは実にハンサム。
そしてシルヴィア・シドニーが最高に愛らしい。
もう、疑うとかためらうということは一切無いわけです。
絶対的100%の愛情と信頼を彼に置いている。
その先にあるのが明るい希望でないとしても。
ラング、さすがの演出ぶりです。