バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

90年前のアメリカ女性の人権は・・・"THE STORY OF TEMPLE DRAKE"

 

1933年、スティーブン・ロバーツ監督の

社会的メッセージ性の強い作品。

原作はフォークナーの ”サンクチュアリ” ですが、

かなり改変されています。

 

 

新進気鋭&人権派の弁護士ウィリアム・ガーガン

ベテランの判事ガイ・スタンディング

 

 

ガイには一人娘のミリアム・ホプキンスが居るのですが

毎晩のように外出して帰宅は朝方。

しかし娘を溺愛するガイは、軽く注意を与えるだけです。

 

 

ミリアムの遊び好きは知れ渡っており、

トイレにはそんな彼女を揶揄する落書きが。

ミリアムに好意を抱いているウィリアムは苦々しい気持ちで

それを消します。

 

 

ある晩ミリアムは

ボーイフレンドの一人とドライブへ。

途中で事故を起こしてしまい、

負傷したボーイフレンドと荒れ果てた一軒家に避難するのですが・・・

 

 

そこでは密造酒が作られていたのでした。

禁酒法時代の設定)

マフィアのジャック・ラ・ルーが好色な目つきで

ミリアムを狙います。

 

 

ボーイフレンドは酔いつぶれてしまい、

結局ミリアムはジャックの欲望の犠牲になってしまいます。

 

 

平気で殺人を犯すジャックから逃げることも叶わず、

ミリアムは嫌々ながらジャックの愛人に。

 

ウィリアムが二人のもとへ来た際には

ジャックがウィリアムを殺さないように

「私は自分の意志でここに居るの。愛し合っているのよ」

と偽りのセリフを。

 

ウィリアムが失意と共に去った後、

遂にミリアムはジャックに銃を向けるのですが・・・

 

 

終盤部分は法廷シーン、

証言台に立つミリアムに

ウィリアムは真実を話すように諭します。

 

 

私が女だから・・・

私が女でなかったなら・・・

 

ミリアムの困惑や怒り、悔恨が

溢れ出る涙とともに噴出します。

 

The Story of Temple Drake   Trailer

www.youtube.com

 

女性ゆえにトラブルに巻き込まれ、法廷に立たされて

好奇の視線を浴びる~後年にもこの手の映画やドラマは数多く

作られますが、その雛形になった記念碑的作品ですね。

 

(夜遊びから帰ったミリアムが室内に入ろうとドアノブを探っています。ドアの向こうでは男と抱き合っていることが分かりますね)

 

凝ったショットもあって観応えがあります。

また脇のポジションですけれども

フローレンス・エルドリッジが

主演のホプキンスに負けず劣らずの好演、

お見逃しなく。