バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

超一流の製作陣、しかし重厚というよりは躍動感が無いような・・・"L・B・ジョーンズの解放”

 

この作品は映画界の巨匠

ウィリアム・ワイラーの最終作(1970年)で、

 

スターリング・シリファント(脚本)

ロバート・サーティース(撮影)

エルマー・バーンスタイン(音楽)

の主要スタッフも全員アカデミー賞受賞者という

豪華な顔ぶれが揃っています。

 

 

舞台はテネシー州

人種差別をテーマに

醜い愛憎劇が展開されるのですが

どうもいま一つ臨場感というか

スピード感が不足しているような。

 

この僅か2,3年後には

”スーパーフライ” ”シャフト” といった

いわゆるブラックスプロイテーション・ムービーが

大ヒットしていくわけで、

それらと比べるといかにも一時代前

といった古臭さが否めません。

 

 

ワイラー監督は作風の広い人ですが

こういったタッチの映画にはちょっと

合っていなかったのではないでしょうか。

 

 

勿論印象的なシーンもあって

映画の冒頭、一組の白人カップルが

期待に胸を弾ませて列車に乗っています。

 

 

しかしエンディングでは

冷酷な現実を突き付けられて

怒りと絶望のうちに町を去ることに・・・

(この映画ではほとんどセリフがありませんが、女性は今や大女優のバーバラ・ハーシー

 

 

同じ車両にヤフェット・コットー

 

 

帰郷前と再び町を出ていく彼の胸に

去来した想いとは・・・

 

scene from "The Liberation Of L.B. Jones" (1970)

www.youtube.com

 

コットーは2年前に亡くなりましたが

007では悪役を楽しそうに演じていましたね。

(かなり貫禄がついています)

 

scene from "Live and Let Die" (1973)

www.youtube.com