バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

70年前のイタリア版てんやわんや、高度差を駆使したカメラワークが光る ”パンと恋と夢”

 

ルイジ・コメンチー二監督の

1953年度作品。

好評で続編が何本も作られています。

 

最初は私

うーん、それほどは面白くはないかなと。

イタリアの山あいの村を舞台にした

ドタバタコメディなんですけれど

脚本の冴えがあまり感じられなくて。

 

 

人がですね

ひっきりなしに出たり入ったりするわけですが

それはコメディ映画の常道で

それほど目新しくもないんですね。

 

でもそのうちに気づきました。

 

 

これね、標高差を活かしてるんですね。

各ショットで。

 

 

横(右↔左)縦(手前↔奥)の両方向で

高低を意識した構図の連続。

 

 

ただ慌ただしく動いてるのではないんだと。

スタジオセットではこうはいかないので

実際のロケーション効果が出ていますね。

技ありの一本なのでした。

 

 

凝ってますね~

 

(室内シーンでも後方の階段から連続して人が降りてきて、手前の人数が増えていく。手すりの影を画面下まで伸ばして高低差を強調)

 

しかし出演者は大変だったでしょうね。

体力使って。

 

 

なかでもジーナ・ロロブリジーダ

出ずっぱり&駆けまくりです。

「私、アスレチックやりにきたんじゃないけど」

とかブツブツ言ってたんではないでしょうか。

 

役者としても上手いヴィットリオ・デ・シーカ

余裕しゃくしゃく。

マリサ・メルリー二、マリア・ピア・カジリオなど

魅力ある女優さんの姿もありますね。

 

日本の喜劇でも

(せっかく山や高原がいっぱいある国なんだから)

この手のニヤリと笑える喜劇映画があったら

よかったんですけれどもね。

 

デ・シーカは森繁久彌あたりで。

ジーナ・ロロブリジーダの役は誰かな?

京マチ子太地喜和子浅丘ルリ子を足して割ったような・・・

あっ、👆 みなさん若い時のイメージ

ですけれどね。

 

"Pane, amore e fantasia"   Trailer

www.youtube.com