バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

観応え十分、アメリカン・フィルムノワールの力作 "HE RAN ALL THE WAY"

 

自堕落な日々を送るだけのジョン・ガーフィールド

強盗に失敗、警官を撃ち殺してしまいます。

 

 

市営プールに逃げ込んだガーフィールド

一人で来ていたシェリー・ウィンタース

泳ぎを教えるふりをして

警察の捜索の目をかいくぐります。

(プールサイドに警官の姿がありますね)

 

 

その後半ば強引に

ウィンタースのアパートへ行き

家族を紹介されます。

 

 

警官殺しが新聞記事になって

素性が知れると

ガーフィールドは態度を一変させ

ウィンタースの家族を恐怖のどん底に突き落とします。

 

「誰かが俺のことを喋ったら、お前たちを皆殺しにしてやる」

 

 

気に食わないことがあると

食事中でも銃で脅しを。

 

 

ウィンタースは自分の不注意で

ガーフィールドを家に連れてきてしまったことを

深く後悔し、

 

 

私はどうなってもいい

そのあいだに家族を逃がすことが出来れば・・・

と悲壮な決意を。

 

80分足らずの小品(監督/ジョン・ベリー )

なのですが

ジェームズ・ウォン・ハウのカメラ撮影が実に見事。

 

また登場する役者さんが揃って好演で

 

 

後にアカデミー賞を2度受賞するシェリー・ウィンタース

 

 

気が弱く

すぐに感情を爆発させてしまう犯人役の

ジョン・ガーフィールド

ピタリのはまり役。

(映画公開の翌年に30代の若さで死亡)

 

脚本には

”ジョニーは戦場へ行った”

でお馴染みの

ダルトン・トランボのクレジットもありますね。

 

一点、不満めいたことを言わせてもらえば

挙動不審な中年男を

やすやすと部屋にあげてしまうウィンタースの

人物設定がちょっと?なのですが

(しかもガーフィールドに対して、ある種の愛情さえ抱く)

まあそうしませんと

お話が始まりませんからね・・・

 

HE RAN ALL THE WAY (1951)   Trailer

www.youtube.com