バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

遭難したのは俺かお前か~シャクルトンが示したもの

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極地探検といえばアムンゼンとスコットの

南極点一番乗りの競争が良く知られていますね。

 

このシャクルトンという人物はスコットと同じく

英国の探検家。

アムンゼンが南極点に見事に到達したために

南極大陸横断」に目標を切り替え

チームを組織し、出発します。

 

ところが一行を乗せた船は座礁~沈没、

そこから長期の遭難生活が始まります。

結果的には隊員全員が生還、絶望視されていただけに

大きな注目と賛辞が集まります。

 

しかし、この”表”の陰には”裏”の部分があったのです。

 

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 (「シャクルトンに消された男たち」/文藝春秋社より)

 

縦断を成功させるために、逆方向から食料その他の物資を

置いていくサポート隊があったのですね。

このチームはシャクルトン率いる本体の状況を知らずに

ひたすら与えられた任務を忠実にこなしていきます。

そして本体とは異なり、10人の隊員のうち

3人が命を落とすことになってしまいます。

 

この隊のメンバーは

シャクルトンが仮に極地横断に成功したとしても

世間の称賛を浴びることはなかったわけです。

そして、彼らの闘いの日々は

スコットのそれと比べて、まったくと言っていいほど知られていません。

 

2冊、合わせて読むことをお勧めします。

読み応え、ありますよ。