あまりにも有名な小説(ロバート・ルイス・スティーヴンソン/1884年)で、
映画化も相当数なされています。
なかでも評価の高い作品が
1920年の ”狂へる悪魔” (監督/ジョン・S・ロバートソン)
ジキル博士(ジョン・バリモア)は
無料診療所を設けるなど
心優しきジェントルマン。
しかし周囲からそそのかされます。
「そんな真面目一辺倒では人生つまらないだろう?たまには羽目を外さないと」
怪しげな酒場に連れていかれるのですが、
踊り子(ニタ・ナルディ)に目が釘付け。
「私はこういうところは性に合わん。先に失敬するよ」
などと取り繕ってみたものの
「そうだ!今研究中の、人間の善悪を二分する薬を飲んでみよう。表と裏の顔を使い分けて、遊ぶときは遊んじゃうもんね~」
と自らが実験台に。
途端に体中にショックが走り、
形相が一変します。
ジキルの内面に隠されていた卑しい欲望のままに行動する男、
ハイドの誕生です。
ジキルの美しい婚約者(マーサ・マンスフィールド)は
ただ困惑するばかり。
「この頃あの人は変だわ。留守がちだし性格も変わってしまったような・・・」
やがてジキルは悪夢にうなされるようになり
恐ろしい幻覚に襲われます。
ハイドがジキルの精神と肉体を支配するようになっていくのです。
心配になって訪ねてきた婚約者を襲おうとするハイド。
ジキルの良心は完全に消失してしまったのでしょうか・・・
基本的には整った顔立ちで二枚目のバリモアが
全力投球の顔芸で熱演しています。
二重人格~人格変容ということですと
様々なアレンジが可能ですから、
映画以外にもその手のモチーフの作品は多いですね。
私は未見なのですが
1970年代に
その名も ”ジキルとハイド” というテレビドラマがあって
今やカルト化しているようです。
「放送禁止映像大全/天野ミチヒロ」
ジキル(&ハイド)に扮するは
あの丹波哲郎。
錚々たる顔ぶれが並んでいますが
中味のほうは相当にハードだったようです。
最近になってソフト化されたようで
ちょっと見てみたい気もしますね。
丹波哲郎の変身ぶりを。
ちなみに舞台はもちろん日本なんですが
丹波の役名は慈木留となっています。
すごい当て字・・・
ジキルとハイド(予告編) 1973年フジテレビ系で放送