バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

用水建設をテーマにした力作、しかし音楽があまりに TOO MUCH な ”箱根風雲録”

 

社会派の山本薩夫監督の1952年作品。

当時は独立プロが制作に関わった映画が多く作られましたが

こちらも前進座の座員総出演の

力の入った140分弱です。

 

 

裕福な町人、河原崎長十郎山田五十鈴の夫婦

私財を投げ打って

箱根用水の建設に命を賭けます。

 

 

当初は地元の農民との軋轢もあったのですが

最終的には全員が団結し

幾多の困難を乗り越え、難工事を完成させます。

 

 

原崎と並ぶ前進座の中心メンバー

中村翫右衛門は今回は

脇にまわって出番が少ないのですが

 

 

ラスト近くで

大立ち回りの見せ場が用意されています。

 

 

轟夕起子加藤嘉三島雅夫飯田蝶子岸旗江など

ゲストも多彩で

全員が力演なのですが

音楽(大木正夫)がちょっと異常なまでに

失礼な言い方ですが、大袈裟です。

 

それは古い時代の日本映画では決して珍しいことではないのですけれど

なかでもトップレベルの大上段ぶりですね。

 

 

芦ノ湖の水が用水路に引き込まれるまさにその時

牢に囚われていた河原崎の命は尽きようとしていたのでした・・・

 

原崎&中村の絡みを堪能するには

やはり戦前の名作

”人情紙風船” や ” 小山内宗俊” のほうに

軍配が上がりそうです。

 

”人情紙風船